ライスシャワー・アンド・ナイト

 夜、チャンネルを換えていると「探偵ナイトスクープ」。映りの悪いTVKだ。こんな時間のこんな局でやっていたか。関東圏の俺だが俺はこの番組がたいそう好きだった。たぶん、はじめに目にしたのはえらい深夜だったと思う。いきなり週末の昼の時間に移ったことがあったと思う。移ったらあまりおもしろくないように思えた。やってることは一緒でも、何か違う。テレビにはテレビの時間があるように思える。久々に夜見たなとスクープはやっぱり何かしら好きだ。
 小橋健太が出てきた。いや、どうやら小橋建太が正しいらしい。これはカープ高橋建が高橋健と間違えられるのと同じ原理だ。俺が小橋の建を知ったのは、なんとなく小橋について知りたくなり、やけに充実したウィキペディアを読んだからだ。小橋さんは、いい人という感じだったのだ。ネタはプロレス好きの米屋が自分の考えた技をレスラーにやってほしいというものだった。一つは手でする四の字固め。もう一つが、その名もライスシャワー。ブレーンバスターの姿勢から、相手の首を固定したまま吊り上げるような姿勢にして一瞬の間をおき、ケツを落とす。受け身が取れないし、なんというかとても危険なように思えた。しかし、レスラーは練習生を相手に熱心に試すのだからえらいものだ。レスラーというのはえらいものだと思わせるレスラーはえらいものであって、俺はえらいものだと思わせてくれるプロレスラーが好きなんだ。