K-1ラスベガス大会

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/live/200604/30/index.html
 ステファン・レコルスラン・カラエフの試合から放送されたこの大会、画質のせいなのか、やはりアメ公の殴り合いの聖地のせいなのか、この両者にしてはスピード感より大味さが出ているようにも思える勝負となって、判定でルスラン・カラエフが勝った。続いて大味の中の大味のチェ・ホンマンプレデターのどつきあいは、けれんみ大ありのたいした見もので、俺はこういうのばかりだと困るが、こういうのも好きで、おそらく打たれなれていないであろうホンマンの顔を狙っていくプレデターの作戦と、その突進力を応援したが、ただのデカブツで無しに、スタミナ切れるの早すぎるといえども、殴られてひるまぬ巨人も讃えよう。そして、ゲーリー・グッドリッジが謙吾を沈めた、なかなかお目にかからぬような衝撃的なテンプルなど、ますますアメリカらしさ盛り上がり、とどめにはそのグッドリッジをハリッド“ディ・ファウスト” なるドイツ人が失神させるに至り、これはアメ公も大喜びだろうと思う(グッドリッジはナイスファイターだと思うが、勝っても負けても試合後に嫁がしゃしゃり出てくるのを見ると、知らずのうちに好感度が下がっている不思議)。
 と、ここまで誉めちぎっておいて何だけれど、やはり俺は武蔵とセーム・シュルトの試合に失望してしまい、あまりけなしたくはないのだけれど、やはり武蔵、もういいよと思わざるを得ない。もとより俺は武蔵についてリスペクトの気持ちもあって、ヘビー級の不利な体格の中にあって己の長所をひたすら活かすべく選択したスタイル、その完成は賞賛に値しないはずもなく、しかし、長所と引き替えに失った試合の面白さに関しては何の躊躇もなく非難したい。その武蔵がやる気を見せてチャンピオンとの一戦、攻める姿勢を見せるかと思いきや、クリンチ、クリンチ、ローブロー被害、クリンチの戦法、これは抱きつくと一点もらえる新しい競技かとも思ったがそういうはずもなく、結局ほかの試合で大味なところもあったレフェリーも減点するよりない。掴み禁止でいらだつシュルトさんのふところに飛び込んでこれまた反則を誘発しようという作戦かどうか知らないが、珍しくフジテレビ出演の魔裟斗の言うところの「出入り」の片方しかせず、入ったら入りっぱなしで抱きつくさまはいかにも情けなく、俺のかろうじて持っていていたリスペクトの方の半分すらあやしくなってくるようであり、立っていたら勝ちだったのか、最後のゴングの後のガッツポーズなど見ると、今すぐよこからフェイトーザが飛んできて膝蹴り食らわさないかなどと不埒なことしか思い浮かばぬ始末で、こういう武蔵は、もういいよ、と言わざるをえない。