黄金週間無宿

 カレンダー通りの休みとはいえ、俺にとっては、このていどの長さの休みも過酷に思え、思わず逃げ出したくもなるが、休みからの逃走は労働、とりわけ急ぎの用事などもなく、探せば仕事などいくらでも探せるものともわかってはいるが、もとより俺は孤独の休日から逃げたいだけで、与えられた仕事は量が多くともこなす人間ではあるが、自分から探すたぐいの活発な働き者の性分でもなく、職場に出たところで一日中だらだらネットにアクセスする一日になることは必至。遊びに行こうにも、いろいろの都合で一人で出かけるような成り行きで、俺の行き先というと競馬場にほかならず、俺は競馬場に人連れで行くことくらい苦手もないので、一人というのは大歓迎も、船橋はいかにも遠く、気もふさぎがちなこの季節、肌と服のすれる感触にすら憂鬱なとき、そんな気力のわくでもなく、どうしたらいいのか皆目見当つかず、結局のところ部屋でテレビなど見つつ、海外旅行者に対してあらゆる限りの罵詈雑言と呪詛を投げかけるといったところに落ち着きそうな、そんな予感がある。