『下妻物語』/監督中島哲也

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060529-00000039-sanspo-ent

【カンヌ27日】第59回カンヌ国際映画祭と同時進行で行われている若者向け映画を対象にしたカンヌJr.フェスティバルのコンペ部門受賞作が27日、発表され、女優、深田恭子(23)と土屋アンナ(22)がW主演した映画「下妻物語」(中島哲也監督)がグランプリを受賞した。

 あれ、この記事いつのって思ってしまって、よく見たら昨日のだから少し驚いてしまったのだけど、いうまでもなく私はテレビで『下妻物語』みたばっかりだった。久しぶりにテレビで映画みたいなって思って、本当に最初から最後までみたのだから、なんだか達成感があったのだけれど、そんなことはささいなことで、私はこの映画、とっても楽しめたのだった(原作小説は知らない)。
 上のジュニアフェスティバルの規模や何かは知らないけれど、とにかくいくつかの映画の中から10人中10人がえらんだのだから、とにかく何か異国の人にもつたわるものがあったということなのだと思う。それはたぶん、変でおかしなところもうけたんだろうけど、そればかりでないステキなところがつたわったのだろうと思う。ほら、ちょっとニュアンスが違うかもしれないけれど、『ゴーストワールド』みたいな映画だって、アメリカの文化の中のアメリカの若い人の話だけれど、世界各国、どこかしらつたわるものがある話なんだと思う。ただ、同じ国の中の隣の人との間にもっと大きな伝わらなさを感じたりするのが、こういう話の若い人の若さならではの自意識とかそういうあたりなんじゃないかと思う。
 もちろん、そういう部分以外にもたくさんおもしろいところがあって、私は荒川良々とか阿部サダヲとか生瀬勝久が出てきたりすると、それだけで喜んでしまうのだけど(地上波に伝わる以上に彼らのことはなにも知らないのだけど)、ほかにも宮迫博之とか本田博太郎とか篠原涼子もぴたっと来ててサイコーだった。それでもって、固有名詞がいっぱいでてきたところも、いちいちそれらが外していない感じで、ジャスコとか太っ腹だなとか思ったり(地元では宣伝になったりするのだろうか?)、ねるねるねるねとか、まあ、下妻という地名が一番のツボってところなんだろう。
 それでもって、やっぱり主演の二人がなんといってもよかった。私はどうも深田恭子のようなタイプ、というか見た目の女の子が苦手というか、どうにもあまり魅力を感じなかったのだけれど、なるほどこの映画を見て完全に見方がかわったというか。最初、設定を知ったときは、単にふわふわしたロリータファッションの子と単にゴテゴテのヤンキーが絡むおもしろさの映画かしらんとか思っていたけれど、そこにはそれぞれのねじれと交差があって、そこのところがいっそうおもしろくて、そこに深田恭子のキャラ自体の、私の中でのねじれがあって、とってもよかったというか。それで、最後になるけど、ひそかに一番のツボだったのは、イチゴのロリータファッションだったわけで、あれには本当にやられた感じがしたのだけれど、そこらへんでこの映画の株がかなり私の中で高騰してしまったということは隠さないでもいいかというか、そんなところ。