神の街の殺杉

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060614-00000167-mai-soci

 世界遺産に登録されている和歌山県かつらぎ町上天野の丹生都比売(にうつひめ)神社境内にある樹齢約100年の杉の根元に穴が開けられ、中に除草剤がまかれていたことが14日、分かった。

 はて、丹生都比売、聞き覚えがある名前。そうだ、空海がらみで見たおぼえがある。あった、松岡正剛空海の夢』だ。その中の『御遺告』からの孫引き。

……かの山の裏に女神あり。名づけての丹生都比売のミコトという。

 「にう」は水銀を意味して、そのあたりがタオイズムとの関わり云々で、空海高野山を占めるに至るあれこれとかいう話だったっけな。それでもって、ここが神仏習合和光同塵のはじまりであったとか。丹生都比売神社の公式サイト(http://www.niutsuhime.or.jp/からして、そう高らかにうたいあげているわな。
 うーん、そこでこういう事件。これは奥深い。以前、水銀について「化学物質から歴史を眺めてみるというのも興味深いことのように思われます。そこからさらに伝奇要素を加えちゃったりしたら、それはもうつまらないはずがないよな」とか書いたけれど(id:goldhead:20060228#p1)、そこに「テニルクロール」ときたもんだ。それで杉を枯らせる。いったいいかなる呪術的な意味が……。
 ……いや、不謹慎、不謹慎。だいたい俺は植物を愛する保存主義者なのだから、この事件には目くじらたてて怒るのが筋だった。木は、必要もないのに枯らさないでください。ほんとに。では。