ワールドカップ:ポルトガル対メキシコ

goldhead2006-06-22

http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/w/match/template.html?id=39
 俺の頭の中で、スペインとポルトガルとメキシコが同じ箱の中に入っていることは、俺しか知らない。それで、分類されたのがよほど古かったせいか、後からいくら知識が入ってこようと、別の箱に分類しなおされないのである。そして、そのうちの二か国の対戦となったこの試合、手もとのW杯本によれば、「グループリーグで一、二を争う好カード」とある。ポジティブな評価は鵜呑みにするよろし、それに、本では消化試合を予想していたものの、メキシコはアンゴラと引き分けたために条件有利といえども気の抜けない状況。これは結構おもしろくなりそうだと思いながらチャンネルをあわせたが、なるほど期待を裏切らない試合だった。正直、毎日サッカー、サッカーで飽きがきそうな気にもなっていたが、いやはややっぱりいい試合はおもしろい。よかった。
 で、俺の流儀というかなんというか、とにかくどちらかに肩入れしつつ見る。この場合はメヒコびいき。なぜだろう。監督の魅力だろうか(あのネクタイはどこのドブ板で買ったのだろう?)。それともやはり、「日本がお手本とすべき」と言われるあたりだろうか。決して背は高くないが、確かな足技でショートパスをつなぎ、運動量で勝つ。そのあたりの解説にひかれたのかもしれない。
 とはいえ、ポルトガルにも魅力はいっぱいだ。なにせ、ユニフォームがかっこいい。これは譲れない。あのワインレッドのやつ。ざっと見渡すかぎり、俺は今大会で一番好きだ。それに、フィーゴがいい。俺にプレイを語れる知識など無い。あの、深く刻まれた男の哀愁のようなものがいい。雰囲気の重さが違う、濃さが違う。他のポルトガル人を見渡してもこれだけの濃ゆさはなく、思わず唸ってしまう。誤解を承知でいえば、もう、どんな仕草も濃すぎておかしくてしかたないとすら言える。あと、ヌーノ・ゴメスが途中から出てきてよかった。先発のフォワードは名前初耳だったので。サッカー知らずの見どころなんて、こんなもの。
 で、試合は最初からメキシコががんがん攻めたが、逆に隙をつかれて二失点。二点目はハンドからのPK。「トリビアの泉」で‘カーンが手でシュート’を再放送したばかりなのを思い浮かべた(あの時のカーンって自分で笑いこらえてたよな?)。うーん、父親を亡くしたばかりというキーパーの、ものすごいプレッシャーの掛け方(俺、左、左、左だと思うんよ、左はっとるんや、なあ、どうする、裏ついて左くる? 素直に右かい、おい、お前がフェイントかけるんか、ああ、右や、みたいな)。
 いやはや。しかし、それでもメキシコ頑張って同点。で、例のPKゲット→PK失敗→PKゲットしにいってシミュレーションとられて退場の流れ。これはもう、サッカー門外漢にもわかりやすい勝負のあやだった。解説者も指摘していたけど、最初のPKゲットのシーンは喜びすぎ。あれが流れを呼び込まなかったように思うし、あれを見たら審判(スティーブ・ブシェーミにちょっと似てると思った)だって「こいつらゴール前でボールこねすぎてんのは、倒れるためか?」みたいに考えてもおかしくない。正直、シミュレーションというにはちゃんと当たってるようにも見えたが、流れの中ではあり得る話だろう。いやはや、勝負の機微。
 とはいえ、なぜか10人になったチームが動きよくなるなんてフレーズをよく聞くけれど、この試合もそうだったか。人数が少ないのを感じさせないメキシコの動き、いいじゃないですか。ひょっとして、サッカーって十人くらいの方が機能するんじゃないのか、とか思ってしまったり。そんなことないか。まあ、一人減ったことによってより集中力が増すとか、そんな話だろうか。
 で、最後の最後はちょっぴり運動量が落ちたけど、粘り強く戦ったメキシコには感銘を受けた。たくさん「点取り屋」(と、アナウンサーが何回も言ってた)が出てきたけど、ゴールにはつながらなかったわけだけど、なんというか、ちゃんとシュートまで行くし(ファウル狙いみたいなのもあったが)、やはり日本代表とは違う感じ。しかし、日本代表がメキシコのスタイルを目指すべき、という意見が存在する理由はなんとなくわかったような気もする。次の大会に向けて、シュート練習もそうだが、一夜漬けでなく足技を磨き、あとはひたすら鍛えて無尽蔵のスタミナを身に付けてもらいたい。背の高さとか、ガタイの強さ、言葉より先にボールを蹴るほどのサッカー浸透なんてのはどうにもならないが、そのあたりはどうにかできないだろうか。まあ、素人のたわごとだけれど。
 話は戻って試合の方、メキシコは負けるには負けたが、アンゴラがイランに引き分けてトーナメント進出。主力メンバー落ちのポルトガル相手にやられた感じはあるが(ポルの本気度も高かったが)、今後もこのスタイルのサッカー、そしてフォンセカの爆発などに期待しつつ見ていきたいと思う。

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http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/wcup/06germany/column/200606/at00009607.html
 地上波乞食の俺には視聴かなわなかったが、こちらもグループリーグ屈指の好カードであるアルゼンチンとオランダ。俺はアルゼンチン本命で、上の記事など読むとひいきのテベスなども活躍したようでなにより。えーとこれでアルゼンチン一位通過か。って、いきなり次はアルヘンティーナ対メヒコじゃん。まあ、当初の予定どおりアルゼンチンびいきでいこう。試合を地上波で見られるのかどうか知らないけど。

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http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/wcup/06germany/column/diary/200606/at00009616.html
 「日本はメキシコのサッカーを目指すべきではないか」という意見に対し、メキシコはベスト16で頭打ちになるのだから、もっと上に行くには独自の道を歩むしかない。……と宇都宮徹壱という人の意見。専門筋でもいろいろな見方があるのね。しかし、体格で劣るのが否めない日本が、さらなるスケール感を目指すというと、やはりあれか、必殺シュートか? 双子プレイヤーか? 組織と個人技の融合だぜ、みたいな。日本サッカーの道は嶮しい。