http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200606/bt2006062903.html
球団ワーストの月間17敗という記録的失速劇。今月だけで2度目の8連敗で敵地での連敗も13に伸びた。29日から中日3連勝、巨人3連敗で最短7月1日に早くも自力優勝の可能性が消滅する危機を迎えている。
「出口を見つけようとみんな必死でやっている。応援してくれるファンに申し訳ない」
出口雄大なら、ホークスを自由契約になったあとにトライアウト挑戦。しかし、声がかからず、今は飲食店をやっているはずだ! ……などと言ったら、原監督とジャイアンツファンに殴られてしまうかもしれない。あるいは、その元気すらないかもしれない。ワールドカップの陰に隠れている間、それほどまでにジャイアンツは不振だ。シーズンはじめの快進撃は、どこへ行ったのか。
そういえば俺は、原辰徳の野球をほめちぎってこんなことを書いた。まだ、快進撃のころである。
http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20060414#p3
原の父親、原貢はアマ野球界にその名を轟かせた名監督である。その薫陶をうけた息子が、父の野球を受けつぐ。それをプロの世界で展開しているのが、今の巨人ではないのか、と。見方を変えれば、明日なきトーナメント戦のようなアグレッシヴさ。これを、基礎能力が高いとされる巨人若手層に見事にマッチしているのではないか。実際のところは知らないが、俺はどうにもそう見えてきた。
俺の見立てが正しいのかどうかはわからない。もしも正しいとすれば、「プロ野球の1シーズンはトーナメントではない」という単純な結論が出るだけである。そして俺は思い出す、かつてカープがそのような戦いをしたことを。そう、あれは達川政権のとき。「若手に勝つことを教えるためには、首位あらそいをしなければいけない」というような方針のもと、鯉の季節くらいまでは猛ダッシュしてみせたのである。その結果は言うまでもないだろう。
とはいえ、原はリーグ優勝経験があるし、広島と巨人では選手層も違うのではないのか。いや、しかし、今になって元阪神のアリアスを補強するとかいう話だし、出番がなかった若手がガーッと出てきたその後が薄いのか。
いやはや、やはりチーム力というのは一朝一夕にどうにかなるものではない。長期的な視点と方針をもって、磐石の体制を築かねばならない。それはカープにしろサッカーの日本代表にしろ同じこと。願わくは、それを見ていく喜びを味わいたいもの。