さらば、ハイセイコー

 「さらばハイセイコー」というと一つには寺山修司の詩であり、一つには主戦騎手だった増沢末男の歌である。俺は寺山の詩に何度も涙したことがあるが、後者については恥ずかしながら聞いたことがなかった。その歌を、たまたま昨夜テレビで見られたのはラッキーの極みであった。テレビ東京の懐メロ番組である。が、途中からなのである。右上には増沢の名が出ているが、この歌い手が増沢なのか? それがどうにもわからなかった。それが残念。もしも増沢だとすれば、プロそのものといった貫禄と歌いっぷり。そうでなくとも、大ヒットを記録した理由には、ハイセイコーの人気のみならず、やはり歌唱力もあったに違いない。
 騎手の歌というと思い出されるのが的場均現調教師のシングル。これを持っているのが俺の自慢なのだが、もったいなくて封を切っていないので、聴いたことがないのである。いつか的場師の管理馬が大レースを勝ったら聴いてみようか。あるいは、後藤浩輝もなんかやっていたっけな。ああそうだ、わすれちゃいけないのが田原成貴のロック……は、競馬界的には忘れたいものだろうか。
 さて、現代のハイセイコーというのはキャラが違い過ぎるもディープインパクト交響曲など作られてはいるらしいが、無事引退の暁には武豊が歌うべきである。べたべたの演歌にしてみて、世を驚かせてみてもいい。そんなものが許されるくらい、ディープのこれからが明るいものであればいいと思う。
 ところで今日だって増沢調教師の管理馬は走る。福島ジャンプステークスは、その名もストームセイコーハイセイコーとはゆかりもなにもない血統だが、ちょっぴり買ってみようかしらん。

結果:うあー、ざまーみろくそったれ、単勝で二十倍、馬連で五十倍くらいついたぞ、くそったれ。買おうと思ったら五分前だったけど、買ってよかった! こうなると、馬の能力比較も、血統も、馬場適性も、ばかばかしくなってくるような気もするが、まあ、これも競馬のうち。今日は付き合いの出社だったから、もうとっとと引けて、飯おごって帰ろう。