俺がオシムの名を初めて意識したのは、JRの駅のポスタ。「オシムのサッカーは観衆を釘付けにする。それはなぜか。その答えはスタジアムで」みたいな内容で、ジェフの試合のものだった。そうか、Jリーグには堂々と宣伝の主役になるような監督がいるのだな、と思ったわけ。
そのオシムが、日本代表監督として今日初陣を迎える。日本代表くらいしか知らない俺なりに、何かとても楽しみだ。あまり監督にばかり注目するのは、本当のサッカーファンからすればなんだろうけど、やはりオシムというのは興味深い人のように思える。インタビュー記事や、青木さやかの情熱犬陸の裏でやっていた情熱大陸などを見てもそう思う。そんなわけで、初戦前日記者会見も面白かった。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200608/at00010172.html
真摯でもあり、煙に巻くようでもあり。このような知性のタイプ、ユーモアのタイプはなかなかお目にかかれない。こういう(中断)
(再開)人物は日本では、いやきっと世界でもなかなかお目にかかれないのではないだろうか。ともかく、ジーコ時代は監督会見にまったく面白いところがなかったと感じていたので、これからも楽しみだ。
……と思ったのだが、これがスポーツ紙の記事ではこうなってしまう。
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/p-sc-tp2-20060809-72825.html
オシム監督が仰天会見!「負けたい」発言
http://www.daily.co.jp/soccer/2006/08/09/0000086357.shtml
オシム監督“東洋の神秘”目指す
むろん、スポーツナビの全文がオシム発言のすべてだとは思わないし、そもそも通訳の時点で伝わらないものもあろう。それでも、テイスト的にはどうだろう、スポーツナビの方がずっと良いように思われる。
そりゃあ俺だって昨日今日はじめてスポーツ紙に目を通した中学生じゃあない。針小棒大、面白おかしくのスタンスを知っているし、それが嫌いなわけじゃない。しかし、オシムの会見に関しちゃ、できるだけ元のテイストの方が面白おかしいんじゃないですか。「せっかく良い素材があるというのに、自分のレシピに合わせた味付けしかできない料理人が、良い料理人と言えるだろうか」……とか、言ってみたくもなる。
あるいは、平気でスポンサーを皮肉ったりするオシムのことだから、そこらあたりからもねらい打ちにされることもあるかもしれない。しかし俺は、マーティ・ブラウンを支持するのと同じくらい、代表のにわかミーハーとしてオシムに期待したいと思うのだ。