宿題と自殺についてのメモ

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060901i203.htm

神戸で中1男子が飛び降り自殺、宿題終わらず悩む?

 「こんなくだらないことで死ぬんじゃない」……と、俺は口が裂けても言えない。俺は、夏休みの宿題が終わらないことに、大きな大きな恐怖を抱き、抱きながらも8月の31日までに宿題を終わらせられない子供だった。いや、いまでも寸分違わない、俺は同じ人間だ、今まさにそういう人間だ。俺が死ななくて済んだのは、恥ずかしながら中学になっても親に助けを求めたものであり、親バカにもそれに応えた親がいただけの話だ。俺は遅刻をするくらいなら休むし、宿題が終わらなければ親に泣きつく人間だ。宿題が終わらなかったからってなんだ、という発想はなかったし、今もない。完璧にできないんなら死ぬ、死ぬのがいやなら逃げる。宿題が出せないくらいなら世界の方がなくなってくれたって構わない。恥をかくのは世界の終わりだ。その場その場が世界と時間のすべてだ。それでも努力だとか己に強いることは嫌いだし、完成させる前に壊したくなるんだ。俺はたまたま今のところ死んでいないだけで、彼は死んでしまった。
 夏休みの宿題なんてものは全廃せよ。なんなら夏休みの長さは一週間くらいでいい。なくたっていい。四十日の夏休みを失った今だから言うわけではない。俺はずっとそう思って生きている。

※まだ自殺の真相はわからない。ずっとわからないかもしれない。しかし、とりあえず彼の自殺の原因が夏休みの宿題だとして、話を進めた。