リンカーンの引退

http://www.jra.go.jp/info/0609/20060908-lincoln.html

リンカーン号(牡6歳 栗東音無秀孝きゅう舎)は、本日栗東トレーニング・センターでの診療の結果、右前浅屈腱炎との診断を受け、引退することとなりましたのでお知らせいたします。
 なお、今後は種牡馬(繋養先は未定)となる予定です。

 今までもいわれてきたことだが、ここにきてさらにナリタセンチュリーアドマイヤジャパン、そしてリンカーン。すなわち‘ディープインパクトの二着馬の悲劇’。最強馬を相手に極限の走りをしてしまうがゆえに……、などと理屈をつけるよりも、もはや因縁話。寺山修司だったら、英雄性や時代性まで駆使して描き出しただろう。
 しかし、理屈で言えば、ディープのダービーに出走した馬など、かなり多く故障している。俺は馬のレース中の故障一つを即座にJRAの馬場造園課にひっかぶせるのは嫌いだ。けれども、ここまでくればはっきりとした傾向ではないのか、とも思いはする。もしも高速馬場が脚の負担になっているのならば、考え直してほしい。日本競馬がタイムで実力を喧伝する必要は、もうないだろう。タイム=能力の絶対値じゃないのは、競馬ファンがよくわかっている。レコードが出るより、実力馬があっさり舞台から降りないほうがおもしろい競馬になる。それとも、凱旋門賞に勝つくらいじゃなきゃ変わらないのか。
 で、リンカーン種牡馬入りとのこと。なにかサンデーサイレンス飽和状態のようにも思えるが、どうなのだろう。シャトル種牡馬も何頭かいて、積極的に世界を目指してほしかったりもするが、それは外野の無責任な願い。
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 競馬の話題ついでに、エレクトロキューショニストについて。芝とダートで日本馬の前に立ちはだかった異才の馬。惜しい。