おい、伝説のプレーオフ知ってるか?

 報道ステーションの特集だ。かつての前後期制パリーグでの話だ。俺は知らなかったな。俺が物心ついたときの日ハムのエース格といえば津野浩か柴田保光。そのときのエースは工藤幹夫。あれ、木田、木田勇は……もうちょい前か。まあともかく、大沢啓治の日本ハムと、広岡達朗の西武との対決だ。大沢の秘策で、小指骨折で登板すら危ぶまれたエースを第一戦の先発に投入したって話だ。広岡の秘策で、プッシュバントで江夏豊を崩そうって話だ。
 でも、俺は、そんなことより、当時の客の少なさに泣いた。ここまで、パリーグに人気はなかったのか。ここまでなかったのか。誰だ野球人気が低下しているなんて言うやつは。俺もか。まあいい、今のパリーグの、そりゃオリックスとか酷いときもあるけれど、たとえば今の日ハムの客の入りはどうだ。去年の日ハムはどうだ。ホークスはどうなんだ。すごいじゃないか。すごいだろう。大沢親分の、パリーグ、野球への熱い思い、やはりすごいもんなんだよ。
 野球人気が下がってるんじゃなくて、ジャイアンツ戦の視聴率が下がっているだけ。違うのか。地上波から消えても、野球は消えない。でも、有料放送にも球場観戦にも金を出せない俺にとっては消えるのか。でも、俺は、どちらかというと、この項の先の方でも選手名ばかり出てくるように、選手名鑑と惜別球人だけでも満たされるタイプだから、平気かもしれない。人からそれが野球ファンでないと言われても。でも、どうだろうね。俺の中にもうPRIDEはないよ。