ディープインパクト、非情の戦力外通告

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2006/10/12/01.html

インパクト年内で引退…携帯で通告

 深夜のNHKニュースでも三冠と凱旋門賞のシーンつきで紹介され、おそらく各局ニュースもにぎわせたであろうこのニュース。今朝の「とくダネ!」では小倉智昭がこの先予想される種牡馬年数から一年あたりの価格を割り出し、同時に早世や受胎率のリスクを語りながらも、余勢株による分配利益までまくし立ててお茶の間を置き去りにしていたものである。つーか、お前の年収なら馬主になれるやろ。なれや。トクダネオグラオー。
 それはそうと、それでIkee師の会見も画像で見たが、昨日書いたこと(id:goldhead:20061011#p4)の印象をさらに強めた。人格者である師が、負の感情を露わにしてた。やはり、この引退発表にいたるプロセスが大失敗だったということだ。ハルウララを強奪した安西美穂子ではないが、そういう印象を少なからず世間に与えてしまっているように思える。その結果、上の見出しのように、現場スタッフを軽んじた、非情な引退に見えてしまう。これは競馬のイメージダウンにすら繋がりかねない。
 金子真人のひととなりなど知るよしもないが、ネーミング(俺はあまり好きでないです)などから、彼の馬のファンも多く、どちらかといえばファンアピールが上手な方と思っていた。ちゃんと事前にスタッフに話を通して、あるいは、年内引退なら年内引退で競馬会も巻き込んで、ずらっとチーム・ディープインパクト(という言葉は少し赤面しながら使っています)を段上に並べて、「この馬の血を無事残すのが使命」、「夢は子どもたちに託したい」などと武豊や調教師の口からも言わせるべきだったのだ。このままでは、いろいろと煮え切らない終わり方になってしまうような気がする。
 とはいえ、ひょっとしたらホールディングス氏にとって、携帯でのやりとりは「事前に話を通すための一本目」だった可能性もある。それが、あっという間に広がってしまったとか。でも、これがちょっとでも漏れれば大ニュースになるのはわかりきっているし、「発表は待ってくれ」といえば済む話。やはり、ちょっと配慮が足らなかったのではないだろうか。
 そんなわけで、今後が少し心配されるディープインパクト。このような陣営の動揺は、間違いなく馬にも伝わるし、無意識のうちに安全策をとりかねない。引退の決まった名馬の扱いは難しい。タイキシャトルの例もあれば、ファレノプシスの例もある。例外ともいえるのがオグリキャップだろうか。武がコメントで述べたのは今春のオーゴンサンデー。まあ、オーゴンサンデーと違って覆せる話ではない。
 振り返れば、俺とディープインパクト(の連れてくる馬)との相性は悪くなかったように思う。もともと馬連中心だけに、三連単などでも楽しませてくれた。しかし、いよいよディープインパクトに本心から逆らうときが来たのか。そういう思いも鎌首もたげてきた。媒体によって天皇賞に全力投球(スポニチ)とか、天皇賞出走はありえない(日刊)とかさまざまだが、今までになくどきどきしつつ衝撃を迎えようか。