ぼくのスピリチュアル体験

 ときたま、料理しながらラジオを聞くことがある、小さな携帯ラジオは、おおよそ競馬中継のためにあるのだけれど、ときどきそんな風にして、別の音を出して、その違和感を楽しむ。こないだの夜、そういうふうにして、スイッチを入れたら、江原啓之の番組がはじまったところで、ぼくは思わずイヤホンを外してしまったのは、ぼくがこのGomer Pyle(ハートマン軍曹がこう言ってた意味、最近知った)をテレビでみるたびに「ugh...」ってなって、チャンネルを変えてしまうくせがあって、それでも、このさいだから、ラジオ聞いて、気づいた。この江原というのは、Gomer Pyleな外見を持ちながら、中身は切れる人間なんだろうと。人生相談にしても、実に四方八方に警戒のライン、厳重に引いて、八方美人的といえばそのように、どのように解釈できるといった占い師的といえばそのように、実に慎重に、なおかつ饒舌に、いろいろなケースを並べ立てて。タイプは全く違うけれど、ぼくが佐藤優の本など読んで丸め込まれてしまうような気に陥ったとき(id:goldhead:20050602#p1)の、かなり軽いバージョン、頭がいいんだな、実はそれほどひどいわけじゃないんじゃないのかと、マイナスからゼロ付近まで浮上、みたいな、というのも、想像していたカルト霊能力者というより、よっぽど話のわかるやつといった語り口で、その手の用語も「守護霊」くらいなもので、スピリチュアルとカウンセラーを並べて、実は後者の比重が大きい、単に口のうまいやつ、そういう風に感じたのだ。
 が、そんな話を人にしたら、お前はテレビを見ていないからそういうことを言う、あれはいつもタレントの前世を詩人だとか将軍だとか言い立てて(農民だとか一般市民だとかは決して言わない)、さらには部屋の霊視などするようなやつだぞ、などと言うので、なあんだ、やっぱりこれからも「ugh...」だなと思う。言われなくったってそんなテレビは趣味じゃないけど。
 ちなみに、ぼくはぼくの目で見たものすら信じないリアリストなので、江原などがつけこむ隙はないのだ。でも、美輪明宏にはビビって降参するかもしれない。