映画『レーシング・ストライプス』

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 金曜だか土曜だかのテレビ映画で見た。『レーシング・ストライプス』は『みどりのマキバオー』のパクリ……とは言わないが、なんとなく思い出したりしながら。あと、ナリタブラリアンとか。でも、それはそうと、やっぱり競馬に絡めば面白くもあり、最後まで見たのだ。あっちの草競馬感はこんなのか、とか、ケンタッキー・オープンならアラブやクオーターホースありでシマウマ参加も自然だったのに(そうか?)とか、主人公のまとった勝負服はホクトベガを思い出す、とか、最後のレースシーンでライバルの騎手が手綱を引きっぱなしに見えて不自然だった、とか、余計なこともつらつら思いつつ。
 それはともかく、俺がアメリカ的ハッピーエンド、あるいはディズニー的なもの(これはディズニーじゃないけれど)が苦手な理由を、あらためて感じた。悪者が悪者のままなのが、かわいそうでならないのだ。善悪二元論。この作品でも、性悪女の馬主、最後の最後まで悪者のままで、最後も糞ぶっかけられる。悪者サラブレッドも悪者のままで捨て置かれる。俺はこういうの嫌いだ。小さなころから嫌いだった。敵にだって言い分はあるでしょう。だから、敵が長演説ふるう「ガンダム」が好きだったのだ。あちらのハッピーエンドはハッピーさに欠ける。片手落ちだ。
 とか言いつつ、「この競走でストライプスがシマウマ体に故障を発症させ、予後不良になるんじゃないか」とかいうあり得ない妄想を抱きつつ映画を見る俺に、ハッピーエンド語る資格なしとも思うが(どんな映画見ていても悲観的結末の方しか思いつきません。これは病気です)。でも、悪役のラフショッド(これ実在の名門牝系の名前じゃん。じゃあプライドは凱旋門賞三着、いや二着馬か、とか。いや、正式馬名はトレントンズプライドだったのだけれどね)には、平気で危険な競走中止食らわすんだよな、とか。まあ、俺の大人げなさというか、ナイーヴさよね。うん。俺の方が真のハッピーエンド好きってことなんだろうな、たぶん。