自然の範囲内範囲外

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070206-00000020-mai-soci

<早過ぎる春>エルニーニョ原因 日本の南の高気圧寒気阻む

 今年の冬は暖かい。これは事実だ。だからといって、ニュースキャスターが眉間にしわ寄せて「人類による地球温暖化が……」と言うのには違和感がある。
 温暖化論議は置いておきたい。地球温暖化は別として、この暖冬を人為による温暖化と安易に結びつける背景には、どうにも自然に対する見くびりがないか。日本の自然は世界の人がうらやむような自然。厳しさもあるが、春もある。自然=恵みがすんなり成り立つ。しかし、おなじことをシナイ半島の砂漠では成り立たない。だからといって、ときに猛威を振るうのも自然。近代化のはるか昔から、日本人だって自然に痛めつけられてきた。そういうことを忘れるかのごとく眉間にしわ寄せる背景に、自然が、日本の四季が、気象管理されたスペースコロニーであるがごとき誤った前提がないか。温暖化が温暖化ならそれは警鐘も必要。しかしながら、それは置いといて、自然は人智の及ばぬものという感覚も忘れちゃいけないんじゃないだろうか。しかし、その感覚は、ひょっとしてわれわれの社会の敗北宣言なのだろうか? しかし、その敗北はシナイ生まれの判断かも知れず、かといってわれわれは科学文明に寄っていて、安易に東洋的などと言うのも空疎だろうか。むずかしい。