一度では済まなかった行列の記録

 どうしても使用しなくてはならない画像は、どうしても解像度が圧倒的に足りないJPGで、どうしてもその一点しかない。こういう場合、いったん光沢紙にプリントアウトして、それを必要解像度でスキャンするというおまじない、どれだけ効果があるのか、よそ様はやっているのかどうか知らない。
 今までは会社のインクジェットプリンタでやっていたのだが、最近はセブンイレブンの優秀なプリンタを利用する。一枚三十円。三十円握り締めてセブンイレブン行った俺。先客。若い女の子だ。ちょっとした息抜きと思って、週刊現代など立ち読み。立ち読み終わって(相撲と包丁の記事!)、もう一冊なんだかわからんが滅多に立ち読みすらしない時計とかファッションの雑誌。これも適当に見終わって、横目にチェックするが、彼女、終わる気配がない。なにやら膨大なインデックスプリントを見つつ、本焼き(?)するものをチェックして……という作業中。
 どうでしょうか、これは。コンビニの複合機の公共マナー。どこまで占有していいのか。大量のコピーをしている人が、後ろの人に譲る光景は見るが、写真プリントはどうだろう。だいたい、コピーとは違って、いったんメディアを入れて、サムネイルを見ながらプリントするものを選ぶのは、一連の手順。いったん止めるのにもいくらか時間がかかる。この占有は、決して過剰なものではないし、今まで立ち読みしていた俺が急に並んだりするのも感じが悪い。さらに「あの、すみません、仕事で一枚だけ必要なんです、お時間掛かりますようでしたら、一枚だけ、一枚だけ先にプリントアウトさせていただけはしませんでしょうか」などと声を掛けようものなら、不審者として警察に通報されるのは目に見えている。
 というわけで、たまたま目に入った週ベの選手名鑑号を買って社に戻った俺。一時間後に行ったら、今度は操作がわからず手間取るおっさんを待った俺。なにもかも解像度が悪い。
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 先の若い女について「パソコンで画像チョイスしてからプリントに来い!」と一瞬思ったが、これはどうだろう。ひょっとしたら、パソコンが無いのかもしれない。「パソコン無しでデジカメ使うな!」というのはどうだろうか。パソコン無しでデジカメは成り立つのかどうか。以前、何かのラジオCMで「よし、うちもデジカメを買うぞ!」「父さん、パソコンが無いよ」(違ったかも?)みたいな内容のものがあったが。でもなんだ、紙焼きフィルム入れた銀塩カメラはどうだったのか。「暗室も無しにカメラを持つな」ということはなかった。だいたい、シャッター押したあと、チョイスもクソもなかったのだ。だとすれば、パソコンなくとも本体のプレビューで撮った画像を確認できるデジカメの方が数段優れている。それを紙焼きにするのなら、パソコン無しがなんだいったい、ということになる。管をつなげばテレビでだって確認できるし、そうか、別にいらんのだな。だからあれか、デジカメ直結のプリンタなんかの需要もあるわけだ。つーか、そっちの需要が多いんだろうか。わからん、自分の使い方以外のことはわからん。