横浜市議のお覚悟ば問いもんそ

http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070209/wdi070209008.htm
 議員特権コンテストワースト大賞。こういう雰囲気、市民活動的なにおい、正直なところ嫌いだ。ウィット? ユーモア? エスプリ? ともかく気持ち悪い。
 しかし、この生理的気持ち悪さから反対側に走っていって、「俺たちのために粉骨砕身働いてくれる議員様に感謝したり、ご褒美があるのは当然だよ!あれは反権力のアカの陰謀であって、議員様のなすことは無謬だ!」というところに行き着くのもおかしい。そういう議員がいないわけではないだろうが、あんまり注目されてないのをいいことに、温泉旅行に行って女の乳をわしづかみにしたりするようなうらやましいことがあってもならないのだ。手段が誤り(気持ち悪い、というのは誤りかどうか?)であるからといって、目的が誤りであるとは限らない。そこを見極めないと、「○×新聞が批判しているということは、本当はいいことなんだ!」みたいな、わけのわからぬ本体なしのでくの坊になる。そこから疑いはじめて、中身に行き着くのならいいのだ。予断なしに物事は見られないし、物事を見る助けになる。しかし、予断を結論とするのはおおよそ危険だ。
 というわけで、私はここでやり玉に挙がった横浜市議会のケースに文句をつけたい。俺はちゃんと地方税払っている。ほかの市町村はほかでよか。けれども、横浜には物言いしましょ。とにかく、海外視察費が簡単に出てくることはおかしいことであります。洋行して西洋の進んだ文明と社会制度ば学んでこようというのは、そんなに甘いものではありまっしぇん。「これこれこういう目的でエゲレスに学びに行かねばならんのでがんす。莫大な費用さ、市民の血税から頂くもんでございますから、もしもお役目果たせぬときは、腹かっさばいてお詫びするでがんす」という決死の覚悟で行くものでありもんそ。だいたい、市税に頼る前に、党や支持者に土下座して「洋行させてけれ! 洋行させてけれ!」と渡航費用を集めるのが筋でがんす。資産家の義父にも土下座するのが筋でがんす。「そんな危険を冒すようなやつに、娘をやった覚えはない!」とか激怒されるべきでがんす。それで、なんだかんだあって、大桟橋で別れの盃さ交わして、愛しい妻子と今生の別れする覚悟で、遙か海を渡るのが海外視察に他なりまっしぇん。懷には自裁用の小刀忍ばせてなきゃならんでがんす。それなのに、向こうで酒と女に溺れ、結局マレーあたりで阿片を吸いながら、日本人旅行客に絵でも売るようでなきゃならんのです。それで、金子光晴に煙草でもたかられて一人前の洋行なんです。市議様にそれだけのお覚悟あって行くのであれば、文句はあらんとです。