ヨーグルト、ヨーグルト、ヨーグルト

 仕事に疲れたOLの午後十一時を思い浮かべてみよう。風呂に入った後で、タオル質の何かで髮をまとめているとしよう。おでことほおのところに、何か知らぬが白いクリームをちょんちょんとつけているとしよう。そして、さして面白くもないトーク番組を見ながら、何を食べていると思うか? ヨーグルトだ、ヨーグルト、ヨーグルト以外にありえない。俺は午後十一時くらいにそのヨーグルトが食いたくなった。俺は朝シャワーを浴びる習慣であり、顔にクリームも塗らぬ。面白くないトーク番組は見ない。しかしヨーグルトだ、ヨーグルト、ヨーグルトが欲しくなった。
 そういうわけで、冷蔵庫にヨーグルト常備案が提出された。しかし、見通しは暗い。俺は実家を失ってひとりぐらしをはじめて以来、食事以外のお菓子、間食、デザートの類をほとんど追放してきた。それが当たり前になりすぎたので、職場で果物などをもらうと、いったいどうして処理していいか真剣に困るほどである。理由はひとえに、それにかかる費用を恐れてのことである。食事もワンプレート、ペットボトル飲料は買わない。それ以外はあまり許されない。
 しかし、ヨーグルトが許されないという客観的判断も持ち合わせていない。案外、ヨーグルト常備くらいは問題ないのやもしれぬ。だが、それを肯定する材料がない。ここが難しい。
 ファイナンシャルプランナー? 金持ち以外に用はない彼らを本当に必要とするのは、貧乏な人間ではないのか。どこぞの大新聞の役員様も老後を心配しているようだが、そんなものは豚に食わせておけばよろしい。ここで俺にヨーグルト食うやよしもしくは食うべからずの助言与えるプランナーが必要なのである。コンビニでいきなり17万円散財(id:goldhead:20070217#p1)するのが正しかったのかどうかという助言が必要なのである(来月ぐらいにもう一回予定)。世の中の多くの貧しい者がヨーグルトを食うべきか食わざるべきか悩んでおり、それに誤って首を吊るのである。
 ……というのは甘えに過ぎぬ。働け、食うな、遊ぶな、馬券を買うな、女とつきあうな、金を使うな、ヨーグルトは食うな、花を咲かせて喜ぶな。