http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/200703/12/index.html
冒頭、秋山成勲対桜庭の映像からである。ここで総括とお詫びするのかと思いきや、「桜庭残念。でも今日出るよ」程度のこと。これはもうしょうもないといえる。ここで白バックで訂正とお詫び放送くらいのことをすれば、少しは評価されるとこれである。あるいは、お望みの視聴率もついてくるところである。それをしない、できない、発想がない。どこまでいってもKはKであり、TBSはTBSである。しかし、真面目にリングに立つ男たちは男たちである。俺が秋山を心底不愉快に思うのは俺が格闘技を俺なりに好きだからであり、秋山によって格闘技を見せるK-1ならK-1を嫌いにはならぬ。秋山への抗議活動でスポンサーが降りて喜ぶということはない。スポンサーに降りられては格闘技の発展も発信力も終わりである。スポンサーはスポンサーの立場で監視の目を向けてもらいたい。
- マイティ・モー対キム・ミンス
- チェ・ホンマンを屠ったすてきな拳を持ったモー登場。「あのパンチがオープンフィンガーグローブだと、相手は死ぬのではないか」と、今まで幾度も思ってきたが、まあそういうことにはならないのも知っている。「馬鹿言うな、殴られてみろ」とキム・ミンスに言われたら素直に謝る。とはいえ、キムさんが可哀想とも思えないのはたぷたぷの腹で、あまりあのパンチを食らう姿を見ても同情できない。たしかにオリンピックのメダリストというのはたいした肩書きではあるけれど、見る側としては腹筋しっかりした実績ないやつの方が見ていて説得力を感じるのである。
- 塩コショー
- 塩コショーのネタを俺はあまり好まぬ。日本のガイジン像ってこんなんでしょ?的な態度、舶来の生ガイジンだからこんな人種差別気味のブラックユーモアしちゃいますよ的な態度である。態度ばかり、笑いの表層を舐めるばかりである。魂に響かぬ笑いである。日本のガイジン像ってこんなんをもっと掘り下げよ、掘り尽くせ、裏返せ、放り投げろ。ブラックならブラックで塗りつぶせ、白く塗り直してさらに黒くせよ。これならばボビー・オロゴンの方がはるかに面白いと言える。その塩だかコショーだかの黒い方。ガードがいかにも素人然していたが、破壊力はありそうである。アフリカ人は強いのか?
- メルヴィン・マヌーフ対高橋義生
- 脚に松ヤニ! 反則は許されない! 茶バーン! マヌーフはこのHERO'Sにあって見たくなる選手の一人。でも人喰いの人も負けてはいないか……と思わせて一撃。タックル切るのも上手い。止めるのは明らかに遅い。
- 桜庭和志対ユーリー・キセリオ
- 通販さん@賛成です?……意味が分からん。でっち上げか? それで、十時またぎで謝罪か……と思わせて、「桜庭の」ファンへの謝罪て。しょーもな。相手はなんだかわからんが、餓えた東欧風でなんかデンジャーのような。で、胴衣って、また滑るよ? いや、しかし、プレイボーイとかいうキャラ付けは? ああ、背中か。でもなんか、ハリウッドB級映画に出てくる用心棒役みたいだな。パンチ、キックえぐいな。本気じゃん。やっぱり関節系の選手に……って、まあ、結果よければよかったということでいいのか。秋山に関するコメントはなし。安心。
追記:http://www.j-cast.com/2007/03/13006145.html やっぱりでっち上げか。それで、変な「名無しさん」に気を取られて視聴時には気づかなかったが、桜庭批判のような書き込みばかり。それって、担当ディレクターが一人でしこしこと打ち込んでるんだぜ。まったく気持ち悪い話。ネット上に桜庭のふがいなさを嘆く書き込みが皆無だったとは言わないが、まったく都合のいい記憶だこと。桜庭に対する、格闘技に対する敬意があればこんなことはできないはず。まったく。
- 宮田和幸対ブラックマンバ
- 顎骨折のあとの歯固定具。なぜこれを活かさないのか理解に苦しむ。山本“KID”徳郁への復讐鬼として地獄から帰ってきた男、というキャラがよいではないか。五輪代表のエリートレスラーの雰囲気など捨て、怒りで気が狂った男。マイクを向けられても「ふしゅごぉぉるうぅ〜、ギッド〜、ぶっごろず〜」などと唸るだけでよい。そして、歯を剥き出しにして光る矯正具。これだよこれ、これしかないというのに。まったくもったいない。例えば相手のブラック・マンバを見るがいい。“インドの毒蛇”というだけでもうペルフェットである。おまけに普通に強いというのがいい。腰高で倒されやすそうに見えて柳に風。上になられても弾みではずせる膂力。これはすばらしい。とはいえ、この試合は決め手不足払拭へか宮本が勝った。復讐鬼キャラ、今からでは遅い。
- 宇野薫対アリ・イブラヒム
- 所英男対安廣一哉
- 便利屋扱いのようで少し不憫にも思える安廣。とはいえ、出番がないより百マシである。しかも今回はメーン。こういうチャンスを活かせればよいのだが。よいのだが、急の参戦で準備もままならぬだろうし、なかなか難しい。所英男は“戦うフリーター”についてそろそろどうにかすべきである。別になくさずともよい。「格闘家の身は明日無きフリーターのようなもの」的なこじつけでよい。
時間が余るほどKO多く、それなりに楽しめた。こないだのK-1ほどではない。ともかく、無事行われたのはよい話である(会場がやけに静かではあったが!)。