ブーメラン政党の何が悪いのか

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070314i207.htm?from=main2

 元法相の中井洽(ひろし)衆院議員(民主)が光熱水費などがかからない議員会館資金管理団体の主たる事務所を置きながら、政治資金収支報告書には2005年までの3年間に計約1070万円を「光熱水費」として計上していたことが分かった。

 民主党ブーメラン政党と揶揄するのをよく目にする。自民党の失点を攻撃すると、民主党の身内にも同じ失点が現れ、自らをも傷つけるというブーメラン、はたまた両刃の剣。
 だが、ちょっと待ってほしい。ブーメランの何が悪いのか。
 もし、民主党自民党議員の不正を1つ暴いたとしたら、日本の政治が1つよくなる。それはそれでよろしい。そしてもし、ブーメラン効果で民主党議員の不正まで1つ暴かれたなら、合計で2つ日本の政治がよくなるのである。1+1=2。一方的な攻撃に比べて2倍である。自らの身を削り、2倍もこの国をよくしていく政党を、どうして悪し様にいえようか。
 だが、ちょっと待ってほしい。本当に2つ減っているのか。
 どうも2倍の速さで国が良くなっているようには思えない。むしろ、次のようになるのが実状ではないのか。「これはお互い無かったことにしましょう」、「そうしましょう」。すなわち、1-1=0。これはよろしくない。
 やはり、民主党を2倍ほめるべきである。2倍よくしているのでえらい、と。こうして政党間で次々に攻撃と自動反撃が繰り返され、一人一殺で次々と減っていく議員。後に残った死屍累々の山に、ナントカ還元水をそっと供えよ供えガイ。