『ハゲタカ』最終回

  • EBOというものがあったのか。MBOid:goldhead:20061124#p1)より一歩進んだというかなんというか。従業員による買収。聞こえがいいし、鷲巣の名誉回復にもなる、と。
  • 三島製作所の出した小切手の細かい金額には泣ける。形だけということで、額面は千円でも、一万円でも……ではなく、骨身削った金額。金は単なる紙切れであり、単なる紙切れではない、そのあらわれと見る。
  • 「最後までハゲタカの〜」の台詞など最高にしびれる。鷲巣ファンド結集とか、これはやはり少年漫画的ですてきだ。脇役の見せ方がうまい。最後にアランが鷲巣ファンドに入るオチがあるかと思ったが、それはなかった。
  • 大森南朋のリハビリシーンも迫真のもの。最初目が覚めて脚の感覚確かめるところとか、実にいい。
  • 葬式で柴田に怒鳴った子は、あれ、『新選組!』の近藤周平、『タイガー&ドラゴン』にも出てた人だよな。浅利陽介というのか、そうだそうだ。
  • 松田龍平の出番は少なく残念。ただ、前回がその役にとってのクライマックスだったか。
  • 下手な色恋感情に流れないところがよかった。最後まで。また、政治的なものも控えめでよかった。あくまで金融メインで。むしろ、金を流して利用する、くらいのもの。とはいえ、「だったら中国に技術流出しかねないのはいいのか」という疑問は残ってしまうが。
  • 田中泯がハゲタカに正面からぶっつけた疑問は、まさにそう思う。金で金を買うようなところから、何が生まれるのか、と。そりゃあよりよいものづくりのための株式市場であり金融なのだかしれんが、どうも主従が逆転しているようにも見える。俺のような底辺層から見上げて何か見えるようなものじゃあないけれどさ。いや、たとえば見上げなくてもサラ金はどうだろう。消費者のための金融がまったく不要ということはないだろうけれど、落ちていく人間が落ちきるまでに身ぐるみはがされて金貸しが肥えて、社会がよくなる、経済がよくなるのだろうか。よくならないから規制されたのか。そう思いたい。