原歌不明、詠み人留守中

goldhead2007-04-05

原歌:■□□□□ ■□□□□■□ ■□□□□ ■□□□□■□ ■□□□□■□
現代語訳:若いお嬢さんが慣れないスカートの裾を気にして、両手でつまみながら歩く姿は初々しく可憐だ。できることならやさしい春風よ、ずっと吹き続けてくれないか。

  • 解説:この歌が詠まれた日付は4月5日となっているので、初々しいお嬢さんは大学の新入生と考えられる。この時代の高校生のスカートの丈は非常に短い場合もあるが、このお嬢さんは真面目でそういったものには慣れていないのだろう。その彼女が、大学に入るにあたって少し冒険をした。その結果、わずかな春風すら気にして歩いている。その姿に詠み人は、少女から大人に変わる女性の初々しさ、また、隠されるべきものがまだあるスカートの中について思いを巡らせている。詠み人が春風に永遠に吹いてほしいと願っていることに注目したい。そんなことは当然ありえず、すなわち、反語的に失われてしまうものの儚さか主題となっているのである。そこに、有限と無限、かりそめと永遠の交差があり、無常の観念が生ずるのである。詠み人が決して性的な意味でこの光景を見たわけではないことに、重々注意すべきである。