『風の谷のナウシカ』宮崎駿

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 「何度目だナウシカ?」と問われれば、「これが初めてだナウシカ」と答えよう、漫画版については。とはいえ、映画の方をきちんと最初から最後まで見たかと言われると怪しい。ような気がするのも、何度もやってるからだ。それはともかく、本の方を読んだわけだ。全巻、人の家で。一気に読みきった。なるほど、映画の方はごく一部だったんだな。しかしちょっと、慣れるまで読みにくかった。もちろん、俺がほとんど漫画を読まず、漫画の読解力が落ちてることもある。だけども、どっかしら、普通の漫画と違うような。コマ割かな。あんまり大ゴマ使ったドカーンって見開きとか、そういうのが少ないんだな、たぶん。けれん味が薄い。ただ、その分、いくつものアクションは、自動的にアニメの方に脳内変換できるので、まったく問題なし。どころか、慣れてくればすいすいよ。内容は、一息に語れと言われても無理だし、一度しか読んでいないんだ。ただ、なんかでかい生きもの、生きものに関するものに触れたような、そんな読後感はあるな。肯定/否定の二元論、善/悪、清浄/汚濁の二元論を超えようというあたりは、いかにも東洋的という印象。まあ、そんなメッセージ性はインテリが論うことで、もちろん、漫画として生き生きとしたキャラクタや小道具、大道具のディテール、楽しみは尽きない。おそらく何度でも読めるものだろうとは思うが、持っていないのでどうかは知らん。ただ、一冊、一冊はやけに安いなって思った。最初に出たときの値段のままだったりとか、そんなこだわりだろうか、それは知らん。