ロッキータイガーの死

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=20511&category=B

地方の雄・ロッキータイガーが死亡

 俺が持ってる数少ない販売物の競馬ビデオ・ジャパンカップ史。一番好きなのは第一回ジャパンカップにおけるサクラシンゲキ。次に好きなのは、このロッキータイガー。この見出しでは「地方の雄」となっているが、俺だったら実況に則ってこう書きたい、「公営の星」と。もちろん、それは俺が競馬なんて知りもしなかったころの話。それでも俺は、「公営の星が追い込んでくる」ことを知っている。俺ははじめて大井競馬に行ったとき、これがあの桑島孝春か、と思ったもの。調べてみれば、その日のメーンで何に乗っていたかわかる。ニドクリトロメオだ。
http://www.nikkankeiba.com/meiba/20/20.html
 ロッキータイガーで検索すると、一番上に出てくるのが上のページ。当時のジャパンカップの出馬表。日刊競馬で「南関A1」ロッキータイガーは無印。まだ世界の壁が厚かったころの話だ。中央の壁も厚かったころの話だ。馬柱にはカウンテスアップテツノカチドキの名。俺からすれば、神話の時代のようにも思える。
 制度的な壁が無くなったぶん、もうロッキータイガーがやってのけたような突破は無いかもしれない。いや、たとえば同じ地方馬コスモバルクがやったこと、やろうとしてることは十分すごい。何十年かあとには神話になっているかもしれない。でも俺は、生来の懐古趣味者だから、明日より今日、今日より昨日、昨日より産まれる前。思い出よりも、存在しなかった思い出。さらば公営の星、俺が見られなかったからこそ偉大なロッキータイガー