現実とゲームはよく似る

http://www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20070531-206522.html

 牝馬として64年ぶりにダービーを制したウオッカ(牝3、栗東・角居)が凱旋門賞(仏G1、芝2400メートル、10月7日=ロンシャン)に出走する。30日、谷水雄三オーナー(67)が角居勝彦師(43)と話し合い、正式に決定した。

 競馬ゲームのようだな、と思った競馬ゲーム経験者は少なからずいるはずだ。なにもウオッカに限った話ではない。ディープインパクトのような馬から、海外大レースで好走する馬、海外中規模レースで好走する馬、世界に広がるかサンデーサイレンス系……。
 前に騎手の話のときにも思った(id:goldhead:20070312#p4)が、ゲームが現実を参考に作られている以上、現実がゲームに似ることは有り得る話。たとえば、日本競馬全体が一つのプレイと考えれば、このような方向性は似て当然かもしれない。
 だんだん未知に向かっていく、のだ。タニノギムレットでダービーを勝った。じゃあ、今度はオークス獲っても面白くない、牝馬でダービーだ、と。ちょい無理目かもしれないけど、そっちを狙っていく感じ。俺はやがて、サンモリッツの雪上競馬(id:goldhead:20061110#p1)に挑戦する陣営が出てくると信じる。
 しかし、これはバラ色なのか。その疑問は残る。ゲームと一緒だ。強くなって、あれもこれもできるようになったときより、競馬ゲームなら倒産の危機と戦っていたあたりが面白い。そんな感じもある。メアジードーツに絶望させられたときから、世界を目指した戦いの日々(……を俺が見てきたかというと、世代的にそうではないのだが、それでも、俺が競馬をはじめたころはフジヤマケンザンの香港が大偉業だったんだぜ)。
 むろん、まだ世界一になったわけじゃない。「今年はイギリスもフランスもアメリカもダービーは全部日本の馬が勝ったな」ってなってるわけではない。キングジョージ凱旋門賞も勝っていない。ただ、もうそれらはそれほど絵空事ではない。簡単に勝てるとは間違ってもいわないが、今後百年絶対に壁を破れない、とも思えない。いい馬がいいタイミングで行って、いい騎乗があったら、勝っても不思議ではない。「いい」程度でいいんじゃないのか。日本競馬史上最強馬が決死の覚悟で臨んで、相手関係や展開が奇跡的に恵まれれば……というレベルではない感じ。

 なんか面白くない話になったので撤回みたいな感じで。ウオッカの挑戦は大賛成で、大応援。ディープの凱旋門賞でも言われた斤量差、だったらそこで得する馬を送り込んで攻略してやろうというプレイ。これが楽しみでなくてなんなのか。ただ、やっぱりすぐにそういう機会が訪れてしまうことに、できすぎ感というか、早送り感というか、まったくの偶然であって、悪いことなどないのだけれど、まあ、俺の精神がおかしいのかもしれないが、なんとなく、このまま行って、ゲームオーバーでなしに、飽きてスイッチが切られる日が来たらと、まあ、それも俺の問題なのかもしれないが。ともかく、日本ダービーが終わって、ちょっと抜け殻気味ってことで。