ソノシート≪商標名≫はなつかしい

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070621-216203.html

朝日ソノラマは1959年、朝日新聞社が全額出資して設立。同年12月には日本初のソノシート(フィルムレコード)付き雑誌「月刊朝日ソノラマ」を創刊し、話題になった。

 ソノシートとはなつかしい。あの毒々しい、赤い、透き通った、レコードの子どもみたいなやつ。藤子アニメとか、ガンダムとかあったように思う。レコード、古いレコード・プレーヤーがあって、祖母に頼んでかけてもらっていたっけな。クラシックのレコードがたくさんあったと思う。あのレコードの香りというのは、レコード特有の香りだったのだろうか。それとも、たまたまうちのレコードがああいう香りになっていたんだろうか。CDというものが普及したときに、家に買われてきたコンポ。一番上にレコード・プレーヤーも載っていたっけ。けれど、小学生のころだったか、いつだったか、自分がうっかり台にレコード盤が載っていないのにスイッチを押してしまったのだったっけ、台のゴムをさんざんに削って、レコード針をダメにしてしまったのだったっけ。そのころには、レコード針は高いものになっていたし、だいたいレコードを聴くこともなく、レコードとはそれっきりになってしまったな。もう家も家族もなくなったし、あの香りのするレコードも、赤いソノシートもすべて失われてしまった。失われてしまった、だからこそ、ある、と言えるかもしれない。そこまで言えるほど、まだ失いきれていない。