天地の創造と京浜東北線の全線不通と死神の列

goldhead2007-06-22

 初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。昨夜も午前二時に帰宅した俺は、今朝の始動が遅かった。神は言われた。「光あれ」。今朝は少し遅れてもいいかと思ってシャワーを浴びた。そうして、電話が鳴った。神は光を見て、良しとされた。上司は「電車が止まっている。朝一で光と闇が来るので、対応しておいてほしい」と言った。神は光と闇を分け、俺はそのとき全裸だった。夕べがあり、朝があった。自転車にまたがるまでのことは覚えていない。神は大空を造り、大空の下と大空の上に水を分けさせられた。市電保存館の方から人を詰め込んだバスが通った。本牧通りには死神の列ができていた。死神の列とは、京浜東北線が止まったさい、山手駅から勤務地もしくは地下鉄の駅を目指してゾロゾロと列をなす労働者の姿を見て俺が名づけた。自転車通行可歩道は死神であふれ、自転車の余地は少なかった。神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。子どもを載せたママチャリが数台、果敢にも車道へ入っていくのを見た。俺はその列にとりついた。神はお造りになったすべてのものを御覧になった。神は「ベリーグッド」と言った。俺は定時内に職場についたが、ひどく疲弊していた。