インフォバーン社の独特のスタンスについて

http://www.hirokiazuma.com/archives/000307.html
 東浩紀さん(……名前は聞いたことがあるが、著書は読んだことがない)の原稿が、文化庁サイトにアップされたさいに、無断改変されていたという話。なるほど、「独特のスタンス」とは使えそうな言い換え語だ。選挙報道で使われる「独自の戦い」みたいなもんだな。
 さて、この件で「レベル低すぎ」と批判されている文化庁。確かにケツの穴の小さな注文。「クール・ジャパンはクールではない」の内容が事前に意図されていたならば、このくらいは載せてみても刺激的でいいんじゃないのかというくらい。
 でも、無断改変して載せた、という点まで文化庁にかぶらせられるのだろうか。そこんところがよくわからない。記事からは、アップ段階で役人が改変したようには読めない。クライアントとしては、契約した業者から初校を見せられて、あれこれ指示する。それは当たり前だ(ケツの穴が小さかったりしても)。で、次に業者が指示通りの納品をしてくる。それでオーケーが出る。それだけのことであって、業者とその下請け、というとニュアンスが違うかな、原稿を依頼した著者との間で修正の確認が取れているかどうかまでは、あずかり知らないことなんではないのかと。もっとも、文化庁インフォバーン→著者の一直線なのか、あるいは三角形なのか、順番が逆なのかとか、いろいろなパターンがあるだろうし、文化庁が改ざんについて責任を負う可能性もある。
 しかし、いずれにせよ、クライアント様大激怒なのは間違いなく、その矛先は著者よりむしろ業者に向きそう。「承諾とってねえ上に、ネット上で大公開されるってのはどういうことだ!」って。著者は早々と原稿料返上の用意周到さ。こりゃあ編集者さんの大失敗だ。そして、会社にとっては、コンプライアンスの問題(俺の愛読してる日刊帝国ニュースで毎日のように出てくる)だ。著作権や書き手との信頼なんてのは、出版社にとっての肉の確からしさみたいなもんだろう。まあ、健康被害が出たりはしないので、どこまでのもんかはわからないけれど。