樹上猫

 地球が誰のせいで暑くなっているかどうかの議論などわけもわからぬが、猫の目の高さで物言えば、クーラーの排熱こもり、コンクリートアスファルトが焼ける今よりは、わらぶき屋根のいつかの時代の方が過ごしやすかったに違いない。しかし、私は真冬のヒーターの前にとりついて離れない猫らのことを知っているので、そうやすやすと騙されたりはしないのだ。連中は木登り上手な猿どもが、木を降りてしまった隙を狙っていたって知ってるのさ。