『ミヨリの森』/監督:山本二三

 なーんの事前知識もなく、いきなりアニメ映画、映画ではないのですが、単発で新作をやるというので、思わずチャンネルを合わせました。とはいっても、前半三十分くらいはラジオ。イヤホンで飯を作りながら聴いていたのです。ですから、主人公が小学生というのは意外でした。声は蒼井優、今どきの小学生といえばこのくらいの雰囲気でもおかしくないのでしょうが……。
 で、絵を見て、キャラに鼻があったりして、これまたちょっと意外でした。宣伝でやってる河童のクゥでしたっけ、それを思い出しました。それで、ちょっとテレビブロスを開いてみれば、原作:小田ひで次。「おお、『拡散』の人じゃないか!」と思った次第(このあたり、一昔、いや、二三昔前のアフタヌーンしか思いつかないのは、闇金ウシジマくんのとき→http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20070709#p2と一緒です)。それで、一筋縄ではいかないだろうと思って見続けたのです。
 ……が、一筋縄のストーリーでしたね。『千と千尋の神隠し』と『平成狸合戦ぽんぽこ』を足して二で割ったような……というような設定はいいとしても、やっぱり「おどかして森から追い出そう」という単純な発想はどうにかならなかったのでしょうか。いやね、もちろん子どもたちも多く見る、子ども向けの作品です。だから別に、一匹殺して吊しておけとか、そんな過激な復讐をすればいいってもんじゃないです。そんなのだめです。でも、「おどかして……」以外に何か無かったんでしょうか。いろんなお化けが出てきて、悪いやつをこわがらせて……なんてのは、いろいろの怪談や昔話、民話の類からありきたりすぎでしょう。もちろん、そういった日本古来のものを意識してもいるのでしょうが、何とか、一ひねり。
 あとはえーと、高島彩アナウンサーですか。ちょっとかわいらしすぎる、わざとらしすぎる演技だったかもしれませんが、アニメ知らずの私には「声優やれんじゃない?」とか思えたものです。元ちとせは向いていないと思いました。あと、元ちとせが演じるところの一本桜さん、なにかどこかの新興宗教のアニメみたいで、ちょっとびびりました(たぶん、原作の絵柄だとそんなことはないのでしょうが……)。ああ、それと、背景の絵はきれいでした。ここらあたりが金のかけどころかな? と、思ったものです。いや、実際は市原悦子がほとんど、とかだったりするのかもしれませんが、まあ、そんなことはないでしょう。あと、チンポみたいな森の生き物はギリギリだと思った。