『リングワールド』ラリイ・ニーヴン/小隅黎:訳

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 『タウ・ゼロ』に感銘を受けて、ハードSFにコンタクト中の俺ヒューゴー賞ネビュラ賞受賞の印あれば信用できると思って手を出したのが『リングワールド』。
 「ノウンスペースシリーズの集大成!」とか買った後に気づいてアンノウン続編物に手を出してしまったかと思ったが、単品でも絶品。「今までのシリーズ読者向けの、ほのめかしやくすぐりはあるな」とは思うがその程度なので別に気にならず。むしろ、この『リングワールド』がシリーズとなって続編があるというのはうれしい誤算。……いや、別になんの算段もなかったが。
 さて、この小説の主役はなんといっても「リングワールド」。太陽が真ん中にあって、その周りを星が回ってるんじゃなくて、輪になった超巨大スペースコロニーが回ってると思ってくれ。一つの惑星の面積のどんだけ倍か忘れたが、それだけの大きさのカホな構造物、超超超超メガストラクチャー。もう、これだけでおなかいっぱい。
 それで、そこを探険するというわけだ。まあ、探険でもせず、延々と宇宙に浮かぶ構造体の話だけで終始する作品があったら、それこそ超ハードなSFだろうけども、そういうものではない(そういう作品があるのかどうか知らない)。この未知への探索、いいよなあ。ハードだよな。俺、『宇宙のランデヴー』好きだし。
 というわけで、少し厚めの本ながら、次へ、次への止まらなさで、眼科の待合いの間にもページをめくり、診察が終わっても出社しないでマクドでコーヒー飲みながら読み終えるくらいの作品。続編も買うしかないと言わざるを得ないが、また別のハードが用意されているので、それはまた先の話。