『コラテラル』

コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
 ここんところ完全にSFなので、教育テレビのSFのを観るべきだったんだろうけど、裏のこの映画観ていたわけ。普通だったらバシバシチャンネル変えていくから、だいたい気づくはずなんだけど、案外この映画が面白くて、チャンネルロックってことになってしまった。こっちはレンタルで借りて観られるだろうが、あっちは再放送待ちなわけで残念……なんだけど、じゃあたとえばふとテレビで観ないで、評判だのなんだのを手がかりに『コラテラル』に出会えたかどうかっていうと怪しいもので、これはこれでよかったとしておこう。
 どこらへんが面白くて見始めたかといえば、冒頭で女検事を乗せたタクシー内の会話であって、トム・クルーズ関係なし。俺、車が走ったりして、車窓、風景、そういうのの映画も好きだしさ。それでもって、設定も面白そう。一晩に五人を殺害して回る殺し屋を乗せてしまったタクシーって。
 で、だんだん運転手が客のやってることに気づいていてくって展開かと思ったら、一人目からどーんって。あれ、これでもつのか? って思ったけど、まあ、杞憂、最後まで緊張感あったわ。一晩のできごとなので、時系列とかでとまどうこともないし、じっくりタクシー車内のやりとりで落ち着いて見られる。
 でもって、アクションシーンはかっこいい。トム・クルーズの動きがいい。ラストの方だけど、椅子でガラス戸をぶち破って、その割れた後に本人が飛び越えてくるところがあって、そんときちょっとだけクルーズさんが椅子につまづくんだけどさ、それをスッと自然に体勢を戻して前進するとことか、よかったよなって。あとは、銃撃、銃さばき、これがかっこよかった。それで、ずんずん目標に向かって進んでく感じとか、事が済んでパニックの群衆の中にスッと入っていくところとかさ。
 つーわけで、SFはともかく、たまにはこういう映画もいい。そして、サイエントロジーとか奇行とかでおなじみになってしまったクルーズさんだけど、いや、やっぱええやんって思ったのでした。