隣の芝に逃した魚の青くすっぱいブドウは盆に帰らない

http://hiroshima.nikkansports.com/baseball/professional/carp/p-rp-tp0-20071121-285921.html

ダイヤモンドバックスが広島からFA宣言した黒田博樹投手(32)の代理人側に、3年契約年俸総額2700万ドル(約30億円)の条件を提示していることが、明らかになった。

http://www.nikkansports.com/baseball/f-bb-tp0-20071121-285934.html

阪神新井誕生「甲子園、楽しみ」

 泥の船から逃げ出したエースと四番。片や新天地が決まり、片や日本球界では考えられない破格のオファーが明らかになった。
 だが、ちょっと待ってほしい。この二人そんなに活躍できるだろうか?
 ……などと言う俺はカープファン。十割引きで聞いてもらって構わないが、どうも私怨(いや、怨みではないけど)抜きにしても、ちょっとそんな気がするのだ。
 黒田博樹黒田博樹はどうだろうか。どうも、国際球に合うのかどうか、という印象があった。フォークがよく落ちない感じ。でも、シュートとか威力発揮するだろうか。しかしそれよりも、何よりも、先発完投型というオールドスタイルが、はたしてメジャーのスタイルに適合するのかどうか。どうも、松坂大輔と似た、あんまりすっきりしない(松坂の成績は立派なもんだと思うけど……日本の多くの野球ファンが持つ松坂神話に応えるものではなかった)感じになるんじゃあないか、とか。
 そして新井貴浩。もうすでに成績安定期に入っているのは確かだ。そしてまた、衰えが来るのはずいぶん先だろう。まさにスラッガー円熟期。では、何が問題か。メンタルだ。メンタル面がネックだ。はっきりいって、ここ数年のカープはテンのスピードすら失った逃げ馬。ただレースに出て、ゴールするだけ。ぬるい中でシーズンを送ってきた。そこに四番の重圧というものが、もはや慣れてしまった四番の座の重圧が、どれだけあったろうか? しびれるような場面が、どれだけあったろうか? そう思わずにはいられない。
 しかし、阪神タイガースはどうだろうか? 来年の成績はわからないが、数年のスパンから考えたら、カープより上位に行く可能性はおおいにある。阪神ファンの意識も、暗黒時代からはほど遠いものとなっているだろう。しかし、転落への恐怖はあるだろう。ただでさえあの大観衆・大応援。果たして新井は耐えられるだろうか? はじめて四番に据えられたときのような、あの窮状が目に浮かばないか? おまけにカープファンからは蛇蝎のごとく嫌われ、苫米地が内角をえぐり、サードゴロがイレギュラーバウンドするのだ! ……いや、まあ。
 ……いや、まあ、まあ、その、なんというか。でもね、ちょっとね、どっちも最初は苦戦するんじゃねえかって、まあ、そういう予想ということで、ひとつ。