平成広島野武士野球

goldhead2008-02-04

 広島の沖縄キャンプ第1クール最終日の3日、マーティー・ブラウン監督(45)の提唱で、首脳陣から集めたカンパ金数万円と宿泊するホテルにあるバーの女性店員の携帯電話番号をかけた3200メートル走が行われた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080204-00000064-sph-base

 世は平成に入って早二十年、人の心も変われば、野球も変わるものである。近頃では「マネー・ボール」などと言って、プロ野球選手たちを単に数字でしか評価しないような考え方が大手を振っている。まるで、成果主義とリストラにおびえるサラリーマン社会を反映しているようじゃありませんか。時代が時代ならば一国を背負って立つ武将のような男たちが、営業成績のグラフにおびえる営業マンみたいになっていて、子どもたちが夢を見られると思いますか?
 そんな中、広島東洋カープを背負って立つマーティ・ブラウンはちゃーんとわかっている。同じ成果主義でも、バーの女性店員の携帯電話番号がボーナス。これに目くじらをたてる女性もいるかもしれないが、そこは大目に見てください。どうですか、この昭和の香り。まさに“野武士軍団”西鉄ライオンズのエピソードみたいじゃないですか。
 もちろん、それに応える赤ヘル軍団員たちも粋なもの。ふつうだったら「こっちは何千万の給料のために歯を食いしばって練習しているんだ。女性の携帯番号なんてふざけるな」と言いそうなところ、将の心意気をちゃーんと理解して、3,200mを走りきったのである。3,200mといえば天皇賞(春)と同じ距離、馬は盾のために走り、赤ヘル軍団はおねえちゃんの携帯番号のために走る、否、チームの一致団結のため走る。今年の広島の快進撃が目に見えるようじゃないですか。しかし、「首脳陣から集めたカンパ金数万円」の微妙な貧しさもカープの妙味だというのか。