魂の休まる場所

 昼にさ、週に一回くらいボートピア横浜行って、飯食ってさ、メシ代と同じくらい舟券買ったりしんてんの。飯もさ、ちょっと割高かもしんねえけど、まあ空いてるしさ、それで舟券って、なんか当たりそうで当たらないのね。なーんとなく、やっぱ頭とかかたくて、後は二着三着というところの、三着目がどうも当たらねえって、まあ、はっきりいってスポーツ紙あったりなかったりくらいで、そもそも競艇なんて『モンキーターン』くらいしか知らねえんだけど、でも、そろそろ一発あっていいんじゃねえかって、また来週、五レースとか買いに行くんだと思う。なんていうか、なんでこんなに馬券売場だの舟券売場だのってのは魂が落ち着くんだろうか、俺にはさっぱりわからんのだけれど、居場所だって感じがする。落ち着いて落ち着いてしょうがない。俺には博打の才覚もなければ、他の客達との交流もなければ、はっきりいって何もないのだけれど、なーんかモニタ見て、紙に目をおとして、マークシート塗りつぶして、はずれ券買って、面白すぎてならない。なんでだろうね、誰に似たんだろうね、親戚見回しても、たとえば母方の祖父は競馬をやっていたけれども、銀座で馬券買うダンディだったから、ちょっと違うんだよな。ようわからん。