クーラーのある生活

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 先週の水曜日、洞爺湖サミットで温暖化をどうにかしようということが決まったんだか決まってないんだかよくわからない、まさにその日、俺の部屋のエアコンが新しくなった。
 俺の部屋のエアコンであって、俺のエアコンではない。賃貸の設備だ。大家さんに泣きの電話を入れて、換えてもらったのだ。実はその前に、存在を忘れていた管理者の不動産屋とのやりとりがあって、保険の更新ついでに聞いてみたら「アハハー、確かに古いですね。でも、完全に止まってないとウチからは言えないので、直接お願いしてみてください。いちおう連絡は入れておきます」との援護射撃。まあ、ともかく前のは古かった。ひょっとすると、エアコン交換の交渉など本当は難易度が高いのかもしれないが、そのあたりはどの程度のことかわからない。
 で、その古いエアコンと俺。実のところ、ほとんど使っていなかった。クーラーや暖房の乾いた空気はどうにも苦手で……という「酸っぱさ」もいくらか本当だが、本当にブドウが採れない理由は電気代のこと。こんなに古いエアコンで、どんだけ電気使うのかこえーよ、という理由。こんだけ古いエアコンの、効きの悪いのに、電気代払うのやだよーって理由。
 しかし、いよいよ、新しく、効きのよいエアコンが欲しくなった。いや、欲しいというより、必要になった。なぜか。テレビを新調したからだ。ただのテレビではない、HDDなどという、いかにも熱に弱そうなものが搭載されているテレビだ。今まではパソコンひとつ持っていなかったから、もっぱら俺の身体だけケアしていればよかったが、もう自分一人の身体ではない。この部屋の西日はかなりえぐく、南方系食虫植物大成長のビニールハウス状態。ぶっちゃけ、HDD内に撮り貯めたアニメの類などは消えたら消えたでしゃあないというか、いつまでも貯め込んではおけない(……増設HDD買うか、ブルーレイのためにお金を貯めるか検討中。え、REGZABlu-ray出ないの?←永ちゃん風に)。しかし、故障となって修理とか交換とかなったときの金と面倒さを考えると、部屋を冷やしたいと思った。そのために北極でシロクマが死んだとしてかまわない。南下してクロクマになれという勢い。
 というわけで、俺の部屋のエアコンは白くまくんになった。たぶん、一番安いやつだ。6畳用で、「冷やす」「暖める」以外の機能は一切無い男らしさ。上のリンク先のやつよりも廉価なやつかもしれない(こういう場合、入居者が「自分、五万出しますから、それでステンレスの自動フィルタ掃除付きのやつにして下さい! 退去時も権利は主張しません!」とか言ったらどうなるんだろうか)。が、しかしだ、しかしやはり音は静か、効きもいい。たぶん、前のに比べたら省エネだろう。これからは、クーラーガンガンかけて過ごすぜ。
 ……過ごせるはずないだろう、俺が。もう、電気代が怖くなって、すぐに消してしまう。これではシロクマどころかペンギン一匹殺せない勢い。すぐに脳内会議開始。「晩飯を食う前の、このタイミングでつけてしまっては、就眠までの間つけ続けることになる。いきなり暑くしては寝付けないし、立地上クーラー直撃になるのでおやすみタイマーも使えない。だいたいおやすみタイマーを使うということは、部屋を閉め切らなければならず、暑くて起きてしまうではないか。だから今はキルだ、キル!」という具合。せめてテレビでHDDが動くときくらいはと思うも、それってだいたい俺が寝ている深夜。まあ、現実的には、部屋にいなければならない土曜か日曜、競馬を見ながらといったところだろうか。
 と、いうわけで、とりあえずクーラーありきの夏が始まった。電気代見て、いきなりやめるかもしれないが、それはそれでいいだろう。じゃあ、そういうことで。