のどが苦しくて眠れず、何となく手を出して読み始めた。眠るために読み始めたが、結局最後まで読み切ってしまった。本を読むのはなんと、今年の四月に『妖星伝』を読んで以来となるのだから驚く。これをリハビリに、いくらかの読書習慣は取り戻していきたい。
さて本書、半村良らしい、と言えるほど読んできたわけじゃないけれども、伝奇やSF、それに人間模様の織り成す作品世界。とはいえ、そんなに長くないし、気軽に読める一冊といったところ。一大巨編になりそうな要素がちりばめられているけれど、、わりかしあっさりめの印象。「怪光を発して飛び立つ円盤と、縄文土偶」あたりのイメージも、今となっては目新しさもあまり感じず。まあ、なんとなく超巨編に化ける要素を持っているというか、ここからどでかいものが生まれる予感みたいな、そんなところ。これにゾクゾクくるところはなかった。
けどまあ、先に『妖星伝』やら『産霊山秘録』やら読んでしまったのがいけないか。入門編？ みたいな感じで、『伝説』シリーズいいのかもしれない。まあ、そういうことで。
