北海道マラソンを見た

北京五輪で惨敗したマラソンに新星が誕生した。女子は初マラソンで一般参加の佐伯(さはく)由香里(19=アルゼ)が、2時間31分50秒で初優勝した。高橋尚子らを育てた佐倉アスリートクラブ(AC)代表の小出義雄氏(69)が、地元千葉・佐倉市から発掘した無名選手。143センチ、31キロと「ミニマム級」の小柄な体で一躍、来年のベルリン世界選手権の候補になり、12年ロンドン五輪も狙える新星となった。

http://www.nikkansports.com/sports/news/p-sp-tp0-20080901-403541.html

 なんとなく北京五輪の余韻と不完全燃焼(日本人選手絡み)もあって、北海道マラソンなど見てみた。小倉智昭も見てた。女子は、この記事で紹介されている佐伯由香里の優勝。この人、本当に小さい。小学生が走っているみたい。でも、その軽量っぷりが武器(解説によれば28kgから増量したらしい)にもなる。女ディープインパクトだ。でも、脚質は先行抜け出しでちぎった。よくわからないが、初マラソンでこれならば、いずれはオリンピックも、という話にもなるのだろう。逃げる佐伯を追うヌデレバとか、絵として面白い。見てみたい。

 男子は20キロ付近で飛び出した高見沢が、そのまま独走でゴールまで飛び込み、マラソン初優勝を飾った。

http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2008083100145

 男子は……、扱いが小さいみたい。勝ったのは高見沢勝という選手。北京のトメスクのような飛び出しからセーフティ・リード。夏マラソンらしからぬペースで逃げ切ったとのこと。夏マラソンと冬マラソンで大きく分かれてるってのは、北京のとき初めて知ったんだけど、どうも夏も冬も変わらぬスピード勝負になりつつあるとか、そういうことだろうか。小出調教師がトラックのスピードを重視するというのもそのへんかしらん。で、この高見沢という選手は、実業団を退団して、今年から高校の先生、陸上部のコーチになったとのこと。実況解説を聞くに、競技者としては一線から半歩くらい退いた形のようだが、逆にこれなのだから、勝負事は面白い。

「山の神」今井、初マラソンは10位

http://www.sanspo.com/sports/news/080831/spg0808311857005-n1.htm

 あと、注目とされていたのは“山の神”の二つ名を持つ今井正人選手。うーん、なんとなく箱根駅伝で騒がれていたのを見たことがあるようなないような、というか、走っているのをテレビで見ていたような気がしないでもない。何はともあれ、「神」とまで呼ばれたクライマーだ。リシャール・ビランクみたいなものかもしれない。あるいは、平地に挑戦するポレールのようなものかもしれない。そういうのは面白い。とはいえ、ここは10着。しかし、どうも適正は高いみたい。山岳コースのマラソンというものがあるのかどうかしらないが(たぶん無いと思う)、神とまで呼ばれた選手の今後に期待したい。