ペダルの交換ではすまない

 雨降りの週末、自転車を会社にあまやどりさせておいて、週明けにまたがってみたら異音がきこえてきた。それは聞きおぼえのあるペダルからのバキバキいう異音であって、やはり折りたたみ自転車が抱える構造的なもろさというものなのだろう。もうこれはペダルの交換しかないとは知っていて、純正品に取りかえたところで同じことなのだろうから、何か手軽に安いものでもないかと検索。その途中、DAHON METROの現行バージョンではペダルの折りたたみ機能は廃されているようで、まったくこういうものかと思う。
 さて、あっという間に注文したペダルが届いて交換となる。自転車のペダル交換については、ともかくすばらしい質感のペダルレンチと、こちらのサイトを見ながらやればいいのであって、よもや力を入れる方向を間違えなければおおよそできるように思える。ただ、すばらしいペダルレンチがあったとしても、やはりかなりの力は必要だし、「ひょっとして無理なのではないか」と思う、その先のもうひとがんばりに手ごたえがあると思っていい。
 そんなわけで、また思い切り体重をかけてストンピングなどして両ペダル交換。もう、ガタガタの自転車ながら復活……と、思いきや、なんと異音がおさまらない。いや、ペダルの異音はおさまったが、似たような音を、ペダルとペダルを結んだ中間点のあたりの仕組みが発しているのだ。
 これはあまりよろしくないことなのではないだろうか。自転車の核というか、肝というか、一番重要なあたりのような気がするからだ。そこがバキバキ異音を出すのだから、エンジン不良の自動車というぐあいだろうか。漕いでいるときちょっと下を見ると、チェーンの通り道の輪がガタガタしているようにも見えるのだ。
 もはやこれは限界、買い換えをすすめなければいけない……、のだが、財政がゆるさない。あるていど次に欲しいと目星をつけている、それは自転車趣味世界から見たら一番下のほうに存在しているかしていないかわからないレベルのものだけれども、僕にとっては覚悟の出費のものであって、覚悟だけではなかなかオーケーが出ないいろいろの状況があって、たとえば使用期限が切れているのに使われつづける気象衛星だとか、政治的問題などもあっていつまでも飛ばされつづける支援戦闘機みたいな、そんな状況にならざるをえない。
 もっとも、たとえばここで僕が自転車通勤を放棄したらどんな選択肢があるかといえば徒歩であって、考えてみれば自転車の前はずっと徒歩であって、雨の日も徒歩であって、たとえばガス代や運賃などはかからないのであって、また時間はかかるといえども歩いてもいいのだ。二本の脚を交互にすすめて、歩いてみてもいいのだ。
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