事故米とは何かね

コメの卸売加工業者「三笠フーズ」(大阪市北区、冬木三男社長)が国から購入した非食用の事故米を食用などとして転売していたことが分かった。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080906ddm001040014000c.html

事故米穀とは、保管中にかびの発生、水濡れ等の被害を受けたもの、又は基準値を超える残留農薬等が検出されたものであり、用途を限定して売却するものである。

http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/syoryu/080905_2.html

 ミニマム・アクセス米というものの存在については、世界の穀物の価格があがったおりに、日本が抱え込んでいるそれをこまっている国に放出すべしだとか、逆に今度は高くて買えなくなったとか、そんな話題で知っていたのだけれども、このたびの三笠フーズ事件において「事故米」なるものが出てきたのは初耳だった。
 して、農水省のサイトにはうえのような説明があって、こちらで「保管中にかびの発生、水濡れ等の被害」というのは買った側の責任ということで、それもせっかくのお米に対してもうしわけない話ではあるが、それはまあ置いておくとして、一方でよくわからないのは「基準値を超える残留農薬等が検出されたもの」の方であって、非常に奇妙で歪んだ経緯で輸入したものとはいえ、なんでそれを売り主に突き返さないのかまったくわからない。主食用にならないというが、煎餠や焼酎に使われたりするならば立派な食用だし、あるいは糊に使うにしたって、メタミドホス入りの米から作ったものは、紙魚が寄ってこなかったりするのかもしれないが、人が使ううえで気持ち悪いものにちがいないし、場合によっては気持ち悪いで済まないのかもしれず、糊の製造工程でメタミドホスがどうなるかわからないが、それだってちょっとどうかというもの。
 ようするに、なんで不良品をつかまされて、それを返品できないのか、そのあたりがわからない。日本の農業政策が今後どうあるべきか、そのあたりは不勉強でわからないことだらけだけれども、用途は直接口に入るものでないにせよ、米を買って農薬まみれだったりして、それを返品しないで、さらに流通させたりするのか、非常に謎のものを見ているような気がしてならない。

追記:なぜ返品しないのか
 マスコミは流通した企業のことや、その経路についてばかり報道して、それはもちろん当たり前なのだけれど、あまり事故米そのものについては触れてくれない。せいぜい北海道新聞での社説に次の一文があるのも見つけたくらいだった。

 基準を超える残留農薬などが検出された事故米を輸出国に返品することは検討できなかったのか。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/116183_all.html

 しかし、検索していると(自分の内容のない日記が上位表示されるほどいやなことはない)、次のような推論があった。

農薬残留については、輸出国での船積み前と日本到着時の検査(輸入業者の自主検査と厚労省(検疫所)による検査)の3つがあり、農薬汚染が発見された場合、陸揚げを認めず輸入業者の責任で輸出国への積戻しや焼却処分等とすることになっています。

http://oshiete.nikkeibp.co.jp/qa4311291.html

 輸入段階での検査では見つからなかったが、その後に検出された、という可能性。いったん上陸させてしまったら、あとはこちらの責任ということか。しかし、そうなると、「水際検査大丈夫じゃねえじゃん」ということになりそうな気もするが、いったいどうなのだろう。