『妹』／監督：藤田敏八

妹(1974) - goo 映画


　秋吉久美子がさー、秋吉久美子のさー、もうなんというか、参ってしまうよね。劇中で秋吉の顔をして「具体性に欠けてるのよね」、「如来様みたい」って台詞があったけどー、もうやばいよね。やばい。生身なのに観念的。妹萌え。たぶん、それの先取り。それでいて、あの見事な脱ぎっぷり。生々しい。参る。実のところ、この作品で言えばひし美ゆり子a.k.a.アンヌ隊員の顔、身体、濡れ場の方が好みなのだけれど、秋吉の独特の存在感をまず語らずにはいられない（というか、ひし美ゆり子を優先して語る方がおかしいか）。
　それで映画の方は、これ、なんと言っていいのか。たとえば、視聴後に予告編を見たんだけれども、それを見るかぎり「こういう映画なのだろうな」という予測は立つが、なんというか、本編はこれといったこういうものではないというか。伊丹十三の死にっぷりが面白いとか、なんか鎌倉出てきて鎌倉出身者の俺興奮とか、あとは、1970年代の街の映像（学生運動後のワセダ界隈？）がただただ飽きないだとか。それで最後のおでん屋は、どこかもう阿蘇山の果てみたいに見えて、あれ、やっぱり鎌倉のあたりかよ、みてえな。林隆三が主演。村野武範が出てきて、一瞬同じ人に見えたりしたりとか。なんというか、『八月の濡れた砂』もそうだったけど、いきなりやっちゃうあたりのやっちゃいっぷりとか、なんとも言えないね。それと、やっぱりgoo映画のあらすじは、ぜんぜん映画と違っていて、どっから持ってきているのか疑問だったりと。
　そういうわけで、なんとなくはぐらかされたような、すかされたような、そんな藤田敏八映画という感じ。残念なことに見られる作品は限られているので、全部見てやろうっと。

関連＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

• 『バージンブルース』……藤田敏八監督／秋吉久美子出演。
• 『ツィゴイネルワイゼン』……藤田敏八出演／鎌倉。
• 『エロスは甘き香り』……藤田敏八監督。
• 『八月の濡れた砂』……藤田敏八監督／鎌倉。
• 『ダブルベッド』……藤田敏八監督。