ティンカップチャリスがジャパンカップダートの本命

 なんとなく名前からフロストジャイアント本命とか言ってたけど、上の記事にあるように、いろいろ調べてみたらティンカップチャリスの方が十二倍くらい本命にしたい馬であることが判明した。僕がティンカップチャリスを本命にしたい理由はだいたい100個くらいあるんだけれども、まあともかく全米規模の馬ではないというところがいい。いわば地方競馬の馬だ。ニューヨークだけれど、地方だ。地方の星、ローカルスターだ。地方で連勝を重ね、全国レベルでもそこそこの馬(パイロ)を撃破。そこにいきなり遠い異国から招待状が届く。賞金総額$2.4 millionのビッグレースだ。ビッグブラウンやカーリンを招待したが来てくれない。そこで白羽の矢が立った。

"It's like a fairy tale," said LeCesse, a Farmington resident.

http://www.democratandchronicle.com/article/20081106/SPORTS/811060363/1007/SPORTS

 おとぎ話のよう。それがいいじゃないですか。なんか、たとえば『シービスケット』とか思い浮かべてもいい。そんなアメリカの競馬野郎どもの夢物語だ。おらが村のスーパースターが海を渡るという感じだ。ディープインパクト凱旋門に行くのとは違う。船橋競馬場内の馬房で産まれた地方出身のタカマガハラが、ワシントンDCインターナショナルに行ってケルソあたりとやりあうような話だ。これはいい。主戦騎手が乗れないのは残念だけれども、自国の、とびっきりの名手を確保できたというのもいい。映画みてえだ。
 それで、敵も充実している。それもいい。ティンカップチャリスは20万円で売れ残った馬だ。それに対して、G1馬2頭の弟で、セリで1億円超、G2勝って15億円のオファーがあった馬なんかがいやがる。ドバイの大金持ちの馬もいやがる。カジノドライヴからしてみたら、ティンカップチャリスなんて本当に乞食のブリキ缶みてえなもんかもしれない。しかし、そこが打ち破られるから、競馬はおもしろいといえる。
 もちろん、背景以外にも買いたい要素はある。とりあえず向こうでも右回りの調教をしてきた(たぶん、サトミアマゾン船橋で調教していたのと似たような光景が繰り広げられたと思う)し、早く乗り込んでいる。持ち時計もある。パイロイカバッドクレーン(プリークネスステークスの荒くれ者どもの一頭)を撃破してる。いや、パイロイカバッドクレーンがどんくらいの馬かいまいちわかっていないけれども。まあ、そのあたりが買える。もう、フロストジャイアントはいいや、ティンカップチャリスやで!
 ……などと言いながら、案外人気するのも目に見えていて、いっそのことマストトラックにも、という「裏切る自分」を想像することも大事。で、マストトラックはどうやねん? うーん、こいつはオールウェザーコース馬じゃねえのか? むしろジャパンカップターフに出たら、みてえな。違うかな。まあ、今はティンカップチャリスで。ティンカップチャリスから日本上位馬へのワイドと三連複で、というところ。