あと何匹? 〜加藤一二三問題について〜

「野良猫餌やりやめて」 将棋の加藤九段を近隣住民提訴

http://www.asahi.com/national/update/1210/TKY200812100330.html

 将棋と関係ない話からする。小さいころから、「もし自分に息子できたらこの名前をつけよう」と思う名前がある。おおよそおそらく結婚とも縁なく、我が子とも関係なく一生が過ぎそうなのでここで公表するが、「一二三」である。
 というわけで、いきなり将棋の話になる。もちろん一二三は加藤一二三先生の一二三である。わが家では父が将棋ファンであって、毎週末には週刊将棋が届いていた。それを読むのは好きだった。順位戦の表を見るのが好きだった(ここらあたり、将来週末ごとに馬柱とにらめっこする素養を見せていたといえよう)。自分で将棋を指す方はからっきしだけれども、小学生のころから「プロ将棋ファン」、「プロ棋士ファン」であったとはいえるように思う。
 その中で、一番のお気に入り棋士といえば、加藤一二三に他ならなかった。なにせ、子供心にも「名前がかっこいい」というのが大きい。そして、父から聞かされる加藤一二三エピソードの数々(ちなみに父は中原誠のファンであった。あと、なぜか林葉直子の父と一緒に温泉に入るという経験を持つ)。それで加藤一二三ファンにならないはずがない。小学生が、「将来息子ができたら一二三という名前にしよう」と願うのも当たり前である。中学に上がるころには、書店で先生の自戦記を立ち読みし、その文体にしびれたのもいい思い出である。
 そういわけで、自分は二十年来の、かなり年季の入った加藤一二三ファンであるとここに主張する。いや、加藤一二三棒銀について何一つ語れぬミーハーファンなのであって、昨日インターネットで加藤一二三伝説のページを見た人と何も変わらない、とも主張する。それに実家もなくなり、まったく将棋と縁遠いことも告白する。
 それはともかく、加藤一二三が訴えられた、というニュースである。さすがに“神武以来の天才”だけあって、新聞各紙およびワイドショーまで取りあげている。まあ、「(元)名人」という肩書きと、「猫を巡るトラブル」という身近なご近所問題という組み合わせもあるかもしらん。問題については、詳細がわからんし、野良猫を巡る問題について語るべき知識がないので控えさせていただく。戦局を見守りたい、とだけ言っておく。見出しに「加藤一二三問題について」などと書いたのに申し訳ない。ただ、聖シルベストロ騎士が問題にならなくて、この世の何が問題なのか、と言いたい。意味はよくわからない。

追記______________________

 記事としては産経新聞ノリノリである

 −−かつて、タイトル戦で「音がうるさい」と旅館の滝を止めた元名人が、猫の騒音で訴えられた

対局の立会人を務めた際、縁側に侵入した猫に「ハロー! 将棋に興味があるかい?」と語りかけたほどの猫好きで知られる元名人を直撃した。

関連______________________

 しかし、将棋指しの知名度とはどんなものだろう。まずは羽生善治。これが今現在知名度ナンバーワンなのは疑うべくもない。しかし、その次となるとどうか。やはり、中原、米長となるだろうか(引退してるけど)。いや、“光速の寄せ谷川浩司を忘れちゃいけない。それに、内藤國雄や“神武以来の天才”加藤一二三? 一二三は妙に知名度が高いような気がする。聖シルベストロ騎士勲章をローマ法王から贈られているだけに、クリスチャンの間で有名なんだろうか。そんなことないか。あと、田中寅彦なんかも公文式のコマーシャル出てたっけ。

 競馬ファンとしては武豊=羽生という気がする。たとえば現在その羽生と激戦を繰り広げている“魔太郎”渡辺明知名度はいかほどのものだろうか。その辺の知名度を知りたい。福永祐一知名度は? 丸山忠久知名度は?