ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日スペシャル第二部 絶対に笑ってはいけない新聞社の感想です

 感想から先に言ってしまうと、そうとうにおもしろかった。かなり笑えた。見る前は、「なんとなくこのシリーズもそろそろ……」という思いがあったけれども、終わってみれば満腹だった。少し不満があるとすれば、ココリコ田中とヘイポーの肝試しが長すぎたと感じるあたりで、あれは別枠でもいいように思えた。が、おそらく「楳図かずおの葬式」を別売りするために、そのような措置だったのだろう。ちなみに、番宣的事前番組はいっさい見なかった。ああいうのはあんまり好きじゃないので。
 序盤はバス。バスや電車のような密室空間、公共空間というのは、なるほど日常でも「笑ってはいけない」要素が存在するところであって、このような舞台にぴったりとも言える。その狭い空間を圧迫するマツコデラックス。そして劇団ひとり鎌鼬大和田伸也。メンバーが「今回はやばい」とすぐに言い出したように、どれも強烈だった。
 が、一番の強烈は鞄の中から首を出す石倉三郎ではなかったろうか。大晦日と元日にいろいろな映像を見たが、一番のインパクトはこの石倉だった。ホラー、SF、オカルトの領域だ。あれで本人がちらりとも笑うふうでなかったのは、さすがの役者魂というのかなんというのか。あれは夢などに出てきたら困ると思った。
 しかしなんだ、バスの一般客役のエキストラのおばさんとか、無表情通しててすごかったな。そういう人選なのだろうか。それとも、リハーサルなどで見飽きているのだろうか?
 続いて新聞社へ。まずは片平なぎさのサスペンス効果音攻撃。このあたりもまさに、役者やのおというところ。が、このあとはしばらくメンバー間でのフリータイム(?)となる。これがけっこう長い。長いが、ここらあたりはこの企画の一番おもしろいところであるとも言える。もちろん、松本人志が初手にぶっ放すはめになった爆発仕掛けみたいなものもある(これはでかかったなあ。一歩間違うとやばい、というレベルじゃなかろうか。だって、椅子で転けて後頭部ガツーンやったら、後頭葉を損傷しちゃうぞ)。でも、そこにいたるルールなきルール、これがおもしろい。もちろん、バラエティ番組として視聴者に対しておもしろいものを見せねばならんという前提はある。あるけれど、ケツをブッ叩かれたくないという前提、笑ってはいけないという前提もある。そこのところを、いかにも自然に、いや、実は自然に、どうもそうせざるをえない方に流れていってしまうような、そこのところが好きだ。
 それに今回の、あのボタン仕掛け、ルーレットorお菓子、写真の、あのあたりは絶妙だと思った。なんというか、ぜんぜんプレイしたことはないのだけれども、こういうゲームあるよな、みたいに思った。なんというか、敵を倒してクリアーというわけではなく、ルールもとくに明示されず、その世界をさまよって、勝手に遊んでください、謎解きしてください、というような。ひょっとすると、これはゲーム化できるんじゃないかとも思う。が、それは身体意識そのままにジャックインできる電脳空間ができてからの話だろうか。
 そんなことを考えていると、UFOが落ちてきて板尾創路が出てくる。板尾というのはなんだろう。もうよくわからないおもしろい生命体だ。宇宙人だ。いや、なんとなくテレビの中で、芸人の中で、「板尾がおもしろいということになりすぎてるのではないか」と思うこともあるのだけれど、やはり単に運転免許の写しが落ちてくるだけでおもしろい、というのはなかなかない。これが天賦の、強烈なフラとかなんとかいうものなのだろうか。あの犬の鳴き声だって、そこらの犬が勝手に鳴いている板尾マジックかとはじめは思ったくらいだぜ。
 それからなんだ、浜田雅功が体制批判をすることによって罰を受けていた。あれはもう、ビッグ・ブラザーが支配する恐るべき監視社会の風刺ともいえるだろうか、いえないだろうか、いえないだろうな。あんまり露骨に足の引っ張り合いになるとつまらないが、今回のハマタくらいの恐慌ならありだと思った。
 それでスター・ウォーズ。俺はスター・ウォーズをしっかり見たことがなく、あまり詳しくはない。詳しくはないのだけれど、こういうパロディなら許されているのだろうか。版権、みてえな。つーか、スター・ウォーズ好きは、ダースベイダーがパチンコの宣伝してるのはありなんだろうか? 佐藤蛾次郎が「コー!」言うよりもおもしろくなさそうなものに見えるが、さて。もちろん、パチンコ好きのスターウォーズ好きもたくさんいるのだろう。
 しかしなんだろう、川崎麻世出てきてしまった。ドキッとした。なぜって、デヴィ夫人の破壊力そのもののようなブログを読んだばかりだったから。むろん、そこに書かれているのは、夫人の独断と偏見に基づく独り言にすぎない。しかし、そうとわかっていても、もう俺が麻世さんを見る目は、「これが“ドラッグづけで、朝の3、4時に帰宅する事が頻繁であり”、“マザーコンプレックスで義母の言いなり”のタレントか」というものであり、要するに、今回の一件は日本とアメリカの国民性が生んだ問題であり、逆に私もカルチャーショックを受けた被害者であるのです。よって50:50という事で許しては頂けないでしょうか。あと、梅宮クラウディアに少し萌えた。
 あとは、えーと、芸能プロダクション。蝶野か、オラエー。しかし、なんだ、蝶野にしろ、健介にしろ、プロレスラーというのは芸達者(という言葉の響きはあまりよくないが……)だ。そのものに成りきれる。ここのところがすごいと思う。石倉三郎と一緒だ。真の擬であり、擬の真だ。あと、コージー冨田ダウンタウンの前でとんねるず石橋貴明のものまねをしだしたときには、ちょっとドキッとした。よう知らんけど。
 それであれか、千秋の新おにぃか、ぷぅ。ああいうオッサンは、いったいどこからどう調達してくるのかようわからん。ようわからんが、下手するとあのオッサンの人生をすごいぐあいに変えてしまう可能性すらあっておそろしい(キスのおばちゃんなどよい例)。あと、これで遠藤と千秋の人生がどうなるのかとか、まあどうにもならんのだろうけれども、いやはや千秋の目が怖かったぜ。
 ジミー大西のビデオについては、あれはまた別枠でやりそうな予感。フランクフルト・ポリスマンと癒着していますって、もう普通出てこないよな。腹がいたくなった。レスリングについては、まあああいう具合の下ネタだろうと。それで、芸能記者んところは、三又又三活躍しすぎというか。浅草キッドダウンタウンの組み合わせも珍しいのかな。すべらない話に博士が出ていたか。つーか、この場の展開はアメトーークのようであり、すべらない話のようであり、なんというか笑わずにはおれないだろう。というか、陣内智則の「浜田が紀香を一回くらい抱いているのではないか」というあたりは、あまりにもあっけらかんと出してきたので、自分の寝取られアンテナは反応しなかったくらいだ。陣内、底知れん。
 それで、ビビリネタときて、おしまいか。ビビリんところでは、なんだろう、松本の「にゃー」はかわいいじゃねえの。オッサンに言う言葉じゃねえけれども。いや、よかった。それじゃあ、また来年を楽しみにする。では。
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……あれ、2006は?