クロスバイク購入への道〜その1〜


 昼ちょっと前に待ち合わせ、同行者の買い物を済ませ、飯を食う。
 作戦は前夜に決めた。まず、Y's Road横浜店に行く。ここは自転車専門店であり、売り場も巨大。いろいろな車種が置いてあるようだ。そこで生自転車を見る。しかるのちに、いったんスポーツオーソリティーみなとみらい店へ。こちらは自転車専門店ではないが、Giantの公式サイトに取り扱いの名があった。だいたいGiant Escapeあたりがメーンターゲットになりそうなので、そちらも見てみたいからだ。しかし、たとえばY's Roadでよい話などがあれば、そこで決めてしまう。即断だ。こういう道筋だ。あるいは、もしも両方で取り損ねたら、横浜の方へ、たとえばハンズとかに行ってやろうか、というところ。

最初の店

 まずはY's Road。ジャックモールを抜けて……、抜けてはいけなかった。もっと桜木町寄りだった。少し引き返し、中洲へ。なんとなくそれらしい自転車に乗った人を多く見かけるようになる。さて、ビルだ。俺がずっと‘競輪関係のPRセンター’と勘違いしていたところだ。普通自転車屋というと、軒先に並んでいるような印象だが、さすがにそんなことはない。自動ドアを入って店内へ。カウンターのようなところがある。左側にマウンテンバイクだろうか、何台かある。店内マップがあり、お目当てのクロスバイクは二階。エスカレータに乗る。
 おお、たくさんの自転車がある。なるほど、これが自転車専門店か、という気になる。まず目に飛び込んできたのはGiantだが、自分には関係ない高価格のロードバイク。左手には上に続く階段があり、右手奥に売り場が広がる。とはいえ、外観から想像していたよりも、あまり広くはなかった。おそらく、ずっとこのビルを電車から見ていた、正面からしか見ていなかったことによる想像との差異だろう。店内では、店員さんが一人、持ち込まれた自転車の調整だろうか、お客さんと話しながら作業をしている。本格的な光景だ。
 さては、俺は俺のお目当てのあたりだ。と。そしてもう、もちろんある、ある、ある。まず目に入ったのが、Giant ESCAPE R3 Limitedだ。全国三百台限定バージョン。二台か三台あった。

Giant ESCAPE R3 Limited

 なんかサイトを見て「限定か」などと思っていたものだ(感想にもなっていない)。俺は革好きなので、本革サドル、本革バッグ(これはかわいいと思う)、本革グリップというのは気になっていた。さらには、R3のシフターはグリップ式(?)なのに対し、こちらはトリガー式だ。今乗っている折りたたみ自転車Dahon Metroがトリガー式であり、なんとなく同じ方がいいんじゃねえのかとか思っていたところ(もちろん単なる六段と左右についているこれは別物だろうが)。それに、最大の入門おすすめ車であるR3をそのまま買うのはちょっと気が引けるところがあって(変わった人と思われたい病)、これはどうか、と思っていたものだ。
 が、どうだろうか。べつに雨の日に乗るつもりはないが、革は大丈夫なのか。色もシックでいいといえばいいが、いろいろ派手な色の自転車の中ではもっさりしているようにも思える。それに何より値段だ。\69,300(たしか定価だったと思う)。横に並んでいる普通のR3は\52,500(だったと思う)。この差は大きい。俺にとっては大きな買い物をするところのなので目が曇っているところではあるが、差額を考えるとちょっとしたものだ。

Giant ESCAPE R3

 というわけで、「もしも革とシフター以外に差がないのなら、普通のかな」などと思う。で、その普通のR3の感想はというと、「思ってたよりタイヤ細っせー! つーか、全体的に細せー!」というあたり。正直、もうちょっとMTB寄りかと勝手に思っていた。なんとなく。たぶん「ジャイアント」という名前のせいで。「ジャイアンエスケープ」というアメリカのダート馬みたいな名前のせいで。
 でも、なんというか、ぜんぜん悪いようには思えない。「これはすげえ、ベタ惚れ」というところでもないが、これはありだろう、というところ。色については、緑色はちょっときつすぎて(限定版と比べたせいもあるか?)、白か黒かというところ。あと、シリーズにR1とR2というのもあるが、自分には見つけられなかった。

Bianchiの何か

Bianchi(公式サイトへ)
[rakuten:qbei:10023305:image](写真は楽天のショップへ)
 実際に見て印象がかわったといえば、ビアンキだろうか。ネット見ていて「Celesteカラーかっけえ」と思っていたのだけれど、思っていたより落ちついた色だった。「色だけでいえばビアンキ。実物見たら高いビアンキにしてしまうかもしれない」という予想もあったのだが、それはなくなった。もちろん悪い色なわけではないけれども、モニタの発色から想像していたのとは、ちょっと違ったというところだ(でも、今モニタの色を見ても、まあその通りとしか思えない。「こういうカラーがあるぜ」っていうブランドイメージみたいなものが作用していたのかな)。あと、フロントフォークもなんとなく重そうに見えた。乗ったところでわかりゃしねえズブの素人だが、まあ印象くらいしか判断基準もないのでそれに従おう。とりあえずジャイアンエスケープだ。

シラス

Specialized SIRRUS(公式サイトへ)
 さて、車体(フレーム?)を見たところで良し悪しもわからん俺だが、ひとつだけ印象に残ったのがある。SpecializedのSirrusだ。R3より一回り二回り値段がはるが、これも定番入門車だったかな。まあともかく、呼び名がわからんが、フレームの上の方が湾曲してる(写真より実物の方が曲がっているように見えた)。これが気合いの入った馬の鶴首のように見え、なかなかかっこいいと思ったのだ。ただ、値段が7万円を超えている。R3との差は大きい。その他いろいろを買ったりする費用にも影響しよう。

店を去る

 と、あとほかにGiosのよさげなのとか、あと初めて見る名前もあった。ともかく、このままでは埒があかない。とりあえずR3でもよさそうだが、さあどうする。店員さんにR3とその他にどのくらいの差があるのか聞いて、「もしあと2万出せるなら、断然こっち」とか言われたら考えようか。それとも、いきなり「すみませーん、このR3包んでください」と言ってしまおうか……。
 などと思うも、声をかけようにも、店員さんの姿がないのであった。さっき整備していたであろう自転車とともにいなくなっている。お客さんも、自分くらいの歳の人が二人と、老夫婦、それに子供が一人と二人つまらなそうにしていて、その親御さんもどこかにいるのか。ともかく、そんな感じでお客さんは入ったり消えたりしているのだが、この二階フロアに店員さんがおらなんだ。トイレに行ったり、ちょっと三階のフロアにあがり、よくわからない摩訶不思議な工具やパーツ、それにDahonのコーナーなど見たりして、また戻ってもかわらない。三階にも店員さんはいたが、別フロアだし、なにやら忙しそうですぐに消えてしまった。
 む、これは潮時か? とりあえずあっちの店行っておけ、という神の声か。ということにする。そんなところで、いちおう価格など覚えておきながら、一度も店員さんに声をかけてもらうことも、声をかけることもなく店をあとにした。気兼ねなくいろいろ見られたのはよかったが、店員さんがいるタイミングをつかむのがむずかしそうだと思った。祝日だからだろうか。

つづく→http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20090114#p1