週末は少し遠くへ行きたい

 少し遠くへ。行き慣れた場所。でも、電車で行き慣れた場所だ。電車で行く距離を自転車で行く。これはほぼ人生初だ。おそろしい。パンクが怖い。パンクしたらどうするのだ。何キロも何キロも自転車を押して歩くのか。一歩進むたびに、がたん、がたんとリムは歪み、スポークは折れ、チューブはずたずた、タイヤは穴だらけ……。どうしよう?
 と、まあ、こんな具合の悲観主義、怖がり、臆病。でも、行かねばならん。それはなぜか? とっとと行動に移さなければ、盗まれるからだ! 買ったばかりなのに、無い! ちょっと油断したら、無い! そんなこと往々にしておこる。何十万もする高級自転車ではないが、サクッと盗んで乗り捨てられることだってある。フレームはがたがた、タイヤとサドルは無く、ブレーキワイヤは切られ、プーリーはクソまみれ……そんな状態で発見され、警察から連絡を受け、「引き取りに来て下さい」と言われたら、どうしよう?
 と、このくらいの性根で生きていると、生きているだけでラッキーと楽観的になれるかというとそういう話でもなく、なにかよいことがあると、「これはウソだ、すぐに死ぬ」と思うあたり、まあ……。
 いや、違うだろ、違う、それだ、それから逃げるんだ、そのためのエスケープ、ジャイアンエスケープじゃねえの? 偉大なる逃避! さあ、吹っ飛ばして、コンクリートさんに脳味噌吹き飛ばしてもらおうぜ! ……とか書いて、本当に死んだらすげえだせえ。死なないようにしたい。……とか書いて、本当に死んだらちょっぴりさみしい。死ぬことはちょっぴり寂しいこととみつけたり。おしまい。

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