ドラえもんの四次元ポケットはお前の心を映す鏡だ

ドラえもんの道具の中で何がほしいかを聞かれ「(四次元ポケットの)スペアポケット」と回答。同じくゲスト声優を務めるお笑いコンビ「チュートリアル」から「まさかのチョイス。欲張り」と突っ込まれた。

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2009/01/19/06.html

 女優でモデルの香里奈のこの回答、定番と言えば定番の答えだ。この質問について「※スペアポケットは除く」とされる類の代物だ。あと、たまに「ドラえもん」と答える人もあるが、あんな口うるさい大山のぶ代と暮らしたいという心理は理解しかねる(←旧アニメ版にひきずられすぎた発想やもしらんが……)。
 で、俺はどうなんだ。俺はどの道具が欲しい(※スペアポケットは除く)。タケコプター? 冗談じゃない。高所恐怖症の俺には拷問道具でしかない。どこでもドア? これは悪くないかもしれない。銀行の金庫の中に……云々。でも、うっかりレーザーで焼かれて死ぬ、とかいう怖さもある。だったら、とりよせバッグか? しかし、うっかり腕切断という怖さもある。もうちょっと、穏当なのがよい……。
 ということで、昔から俺はだいたい二つに絞ってる。一つは「入りこみ鏡」(入りこみミラー)だ。鉄人兵団のあれだ。あれはすばらしい。人のいない(ほぼ)現実世界、というのがいい。本や漫画は読めないかもしれないが、エロ本ならば問題ないだろうし、ずーっと無人世界で缶詰など食いながら生きていてもいいと思う。どれだけ人間嫌いなのだ?
 そしてもう一つは、「タイムテレビ」だ。タイムマシンは、ちょっと怖い。もし帰れなくなったり、タイムパトロールに射殺されたりしたらどうする? あの、亜空間を移動しているときに、うっかり落ちたりしたらどうなるんだ? だから駄目だ。でも、タイムテレビはいい。自分の部屋であぐらかいて座って、土曜の夜にテイエムプリキュアが逃げ切るシーンを見たりすればいい。お金が手に入る術がスマートだ。あとは、なんかすごくエロいものを見たりすることも可能だと思う(ウソでもいいから、歴史上の大事件を見られる、などと答えるように)。
 と、どうだろうか、このあたりがかなり子供の頃から心に決めてきたことなのである。ただ、今考えてみると、「タイムテレビ」はやばいと思う。自分が死ぬ瞬間を見たいという誘惑に勝てるだろうか? その悩みから狂気に陥るような気もする。これはおそろしい。昔はそんなこと考えもしなかった。少しは成長したということだろうか? いや、やはり子供の頃「ドラえもんのどんな道具があったら金持ちになれるか、エロいことができるか。もちろん、俺はのび公みてえなヘマはしねえぜ」ということばかり考えてきた人間の末路というのは、まったく今こうやってひみつ道具に頭悩ませる俺のこの有様だよ、と言わざるをえないのであった。