みしらぬ痛み

 男子生徒は1日午後6時50分ごろ、大東市北楠の里町のダイエーグルメシティ四条畷店1階のサービスカウンターで、店員の女性(32)に拳銃型のエアガンをつきつけ、「金を出せ」と脅した疑い。女性が「警察を呼びます」などと言って拒むと、何も奪わず逃げたという。

http://www.asahi.com/national/update/0302/OSK200903020022.html

 この女性は度胸があるなあ、と思った。俺なんかがエアガン向けられたら、「ひぃぃ、お金、出します、撃たないで、撃たないで」と、両手を顔の前に出してへっぴり腰音頭よろしく金銀財宝差し出して、男子生徒高笑いの図に違いない。本物の拳銃かどうかという話ではない、俺はエアガンで撃たれるのが怖い。弾の出ないモデルガンかどうかの判断も、すぐにはつかないだろう。
 ……というのも、俺がそこまでエアガンを怖がるのは、それなりにエアガン(エアーソフトガン)の威力を知っているからだろうか。思えば小学校から中学校にかけて、どんだけBB弾をまき散らし、どんだけフロンガスを消費したかわからん(フロンガス規制と同じころに熱は冷めた。規制とは関係なく)。当たると痛い、それを知っている。皮膚を突き抜け、肉を裂いて、骨を砕くような威力はないにせいよ、痛いものは痛いのだ。
 そういう意味で、ひょっとしたら、女性は「エアガンで撃たれたら痛い」ということを知らず、生徒の持っていた拳銃を「単なるおもちゃ」と見て取ったのかもしれない。これがロスなら、そうはいかない判断だ。……と、言い切れるかどうかもわからん。普通、人はそんなに怖がりでないのかもしれない。俺にように、「予告された痛み」(例:注射)に対して、異常に弱いことはないのかもしれない。
 話は変わるが、たとえば銃というものをまったく知らない人、たとえば、アマゾンの奥地とか、現代文明と接触していない人たちとかに、いきなり銃口を向けたらどうなるか。彼らは、「なんかやばい」と思うのかどうか。先にどっかに試射するのを見せつければ、怖がるに違いない。が、いきなりだ。やっぱり不穏だろうか。いや、アマゾンなんかに飛ばなくてもいい。銃を知らない幼児とかはどうだろうか。わからん。たとえば、刀だとか槍だとかでいば、切れたり刺さったりというのは予感できる。弓矢もだ。だが、銃はどうだろうか。はじめて鉄砲で殺された人間は誰だろうか。ああ、きっといる。というか、絶対にいる。この世で最初に鉄砲で殺されたやつは、そのときどう思ったんだろう。ぜひとも聞いてみたい。「いや、何かと思ったね。死んだことにも気づかなかったよ」とか言うんだろうか、人類の歴史。
関連______________________
[rakuten:gunto2:10000300:image]
……この世の中で拳銃を一丁選べと言われたら、俺は銀色のワルサーPPKを選ぶだろう。なに、最近のはブローバックするのか。俺の趣味の末期に、実用的な(?)ブローバックするグロック17が出て、あれはけっこうよかったっけ。