幻の五番センター樋口

 昨日昼休み、山下公園からの帰り道、横浜スタジアムの横で信号待ち。場内からアナウンスが漏れ聞こえてくる。
 「……五番、センター、樋口、背番号……」。ドンドンドンと太鼓、パッパラーとラッパ。
 ん? 野球やってるのか? ウグイス嬢つき? と思って見上げれば、ポールにベイスターズとマリーンズの旗。オープン戦だ。いいなあ、こんな晴れた日、野球、生ビール、カメラ片手に。極楽じゃないか。ああ、でも、俺は職場に帰らねばならんのだ。
 でも、樋口って誰だろう? ひょっとして千葉ロッテ井口資仁? でも、「ひぐち」って聞こえたし、井口は外野やんねえだろ。オープン戦だし、どっちかのチームの有望な若手だろう、クリーンナップだ。五番だから、多分パワーのあるタイプ。イメージからして右打ちだな。右打ちで、ごついタイプ。若いころの松井秀喜みたいな体格。ベイスターズだったら森笠のライバルか。マリーンズは、なんか背番号の大きい若い選手なんかが、うまく使われていくイメージがあるっけな。まあ、がんばってくれ樋口君。

 ……って、どう見ても井口。それも、「四番、セカンド、井口」。全部微妙に間違っている。いや、まあいいさ、樋口も井口もがんばればいいさ。野球すればいいさ……。

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